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ゆり

Author:ゆり
はなわゆりの恋愛小説ブログへ
ようこそ!!


ちょっとエッチな恋愛小説を
書いてみました。

あくまで純愛小説です♪

Yブログが本館ですが、ファン限定記事が多いため、
こちらのブログを設置致しました♡


こころゆくまでご堪能ください♡

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kira-46wa

                                      第1話から読む方はコチラ





散々泣いたが、かかってきた電話でクミは本来の自分を取り戻した。

辞令を受け取ったばかりの興奮した夫からだった。


「やったよ!転勤だ!ニューヨークだ!!」

「本当?本当に?本当なの?」

「本当だよ。4月からいきなり支店長代理だって!!」


クミは頬を震わせて、また涙を流した。心なしかタカシの声も涙ぐんでいる。


「おめでとう!!!すごいわ・・・良かったね・・・」

「やっとクミの夢が叶えられる。もう会社で叫びそうだったよ」

「お祝いしなきゃね。ご馳走を作るわ。早く帰ってきてね」


どっちにしても、ハルトとは別れる運命だった・・・。

これでいいの。よね。



早々と帰ってきた夫の顔は、もう落ち着いていた。それどころか、いつもと何処か

様子が違う。背広を脱いだタカシはクミの肩を強く掴み、目を交互に見た。

クミは、その目の奥の色を何処かで見た気がした。


「引越し、どうする?」

「どうしたの?今すぐにでも行きたい。・・・ねぇ、痛いわ」

「別れられるのか?」

「えっ・・・」

「別れられるのか?あの男と」

「な・・・何の事?」

「いいんだよ。隠さなくても。もう全部許してる」



ハルトが告げたんだろうか。それとも・・・



「俺にはそれが出来る。忘れられる。今までの事も全部」


妻の夢を叶えた自分は、今こそ何をしても許されるクミの神になった、と

プレッシャーやコンプレックスから開放されて、タカシは笑みを浮かべた。


どうして笑うの?なんか怖い。

怒ってくれた方がまだ救われる。




タカシはしたかった事のきっかけを作る為だけに かまをかけたのだが

狼狽するクミの顔で疑いは本当だったと知った。

猛烈に嫉妬心が湧き、こらえていた本当の気持ちが噴き始める。


「俺にも隠してた事がある。知りたいか?」

「知りたい。タカシの事、全部教えて」



 ―とうとう始まるのね―    教えてやるよ。本当の俺を今すぐにな。



「俺達やりなおそう。初めから」








タカシがネクタイを外し、反射的に受け取ろうと出した手首にそれが巻かれた。








「だけどその前に」













「悪い嫁には、お仕置きが必要だな」














俺が本屋で働いてた時、こんな事が好きな男だなんて思った?


あの部屋での、縄を掛けながらの、いつかのハルトの声が甦る。


だろ?普通の仮面被って、実は変態な奴多いはずだよ。

クミだって、最初は嫌がってたけど、今はもう普通じゃ満足できないだろ?


あの本の、縄で縛られ恍惚の表情を浮かべた女の顔が、自分に重なる。

興味本位だったハルトと違い、夫は麻の縄でクミを強く縛り上げた。


もっと打って。私みたいな女、本物の鞭で強く打たれたっていい。

体がハルトを忘れられない。きっと永遠に。甘んじてその罰を受けます―


そうだよ。その顔だよ。俺に怯え、許してと懇願する顔がずっと見たかった。












妹を帰したハルトは、二人が愛憎に溺れるうちに忘れてしまった

クリスマスの頃に買った花が枯れている姿を もう一度確認した。


「可哀想に」


クミに例えた花が、堕ちてくるのを待ち続け、与えられなかったきらきらとした

滴の代わりに、投げて返されたアンクレットを 彼はそっと巻きつけた。









                       完





きらきら堕ちるは完結しました。
長い間ご愛読ありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

現在、本館ブログにて、新作「向日葵を忘れられなくて」を連載しています。
誰にでも経験のある淡い初恋をベースに爽やかな内容で連載中(たぶん)
もしよければ本館にあそびにきてくださいね。→はなわゆり本館ブログ
                          はなわゆり


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テーマ : 恋愛小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-46wa

                                      第1話から読む方はコチラ





散々泣いたが、かかってきた電話でクミは本来の自分を取り戻した。

辞令を受け取ったばかりの興奮した夫からだった。


「やったよ!転勤だ!ニューヨークだ!!」

「本当?本当に?本当なの?」

「本当だよ。4月からいきなり支店長代理だって!!」


クミは頬を震わせて、また涙を流した。心なしかタカシの声も涙ぐんでいる。


「おめでとう!!!すごいわ・・・良かったね・・・」

「やっとクミの夢が叶えられる。もう会社で叫びそうだったよ」

「お祝いしなきゃね。ご馳走を作るわ。早く帰ってきてね」


どっちにしても、ハルトとは別れる運命だった・・・。

これでいいの。よね。



早々と帰ってきた夫の顔は、もう落ち着いていた。それどころか、いつもと何処か

様子が違う。背広を脱いだタカシはクミの肩を強く掴み、目を交互に見た。

クミは、その目の奥の色を何処かで見た気がした。


「引越し、どうする?」

「どうしたの?今すぐにでも行きたい。・・・ねぇ、痛いわ」

「別れられるのか?」

「えっ・・・」

「別れられるのか?あの男と」

「な・・・何の事?」

「いいんだよ。隠さなくても。もう全部許してる」



ハルトが告げたんだろうか。それとも・・・



「俺にはそれが出来る。忘れられる。今までの事も全部」


妻の夢を叶えた自分は、今こそ何をしても許されるクミの神になった、と

プレッシャーやコンプレックスから開放されて、タカシは笑みを浮かべた。


どうして笑うの?なんか怖い。

怒ってくれた方がまだ救われる。




タカシはしたかった事のきっかけを作る為だけに かまをかけたのだが

狼狽するクミの顔で疑いは本当だったと知った。

猛烈に嫉妬心が湧き、こらえていた本当の気持ちが噴き始める。


「俺にも隠してた事がある。知りたいか?」

「知りたい。タカシの事、全部教えて」



 ―とうとう始まるのね―    教えてやるよ。本当の俺を今すぐにな。



「俺達やりなおそう。初めから」








タカシがネクタイを外し、反射的に受け取ろうと出した手首にそれが巻かれた。








「だけどその前に」













「悪い嫁には、お仕置きが必要だな」














俺が本屋で働いてた時、こんな事が好きな男だなんて思った?


あの部屋での、縄を掛けながらの、いつかのハルトの声が甦る。


だろ?普通の仮面被って、実は変態な奴多いはずだよ。

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あの本の、縄で縛られ恍惚の表情を浮かべた女の顔が、自分に重なる。

興味本位だったハルトと違い、夫は麻の縄でクミを強く縛り上げた。


もっと打って。私みたいな女、本物の鞭で強く打たれたっていい。

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妹を帰したハルトは、二人が愛憎に溺れるうちに忘れてしまった

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「可哀想に」


クミに例えた花が、堕ちてくるのを待ち続け、与えられなかったきらきらとした

滴の代わりに、投げて返されたアンクレットを 彼はそっと巻きつけた。









                       完




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                          はなわゆり


テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-45wa

                                      第1話から読む方はコチラ




「いいのに。ミカさんと居てあげて。ね、ね、ハルト私達」

「あぁそれと。さっきクミんちの郵便受けにプレゼント入れといた」

ハルトはクミに話させまいと必死で、間髪を入れずに、その度に声を大きくする。


「どうして?」

「アンクレットだよ。プラチナの。婚約指輪の代わりにね。

買ってきたてだよ。ずーっと身につけてて欲しい」



クミの気持ちの変化を 知らない振りをし続ける事で、繋ぎ止められると

信じている口ぶりだった。


「婚約?って?ねぇハルトってば聞いて、私ね」

「ごめん、もう時間ないんだ。帰ったらゆっくり逢おうぜ」


一方的に切られ、かけ直すと、もう電源は慌しく切られていた。

がっくりと肩を落として、心の奥底からため息をついて開けた郵便受けには

丁寧に包装され赤いリボンのかかった箱が『開けて』と自己主張をしている。

あんな事があった後でも、ハルトの中で自分の存在が大きく育っていたのが

不思議だった。嫌われたい。はっきりとそう感じた。


ずっとこんな風に続けていくの?苦しいだけじゃない・・・


家に戻り、ためらった後、冷たく滑らかな銀色のアンクレットを取り出した。


「あっ」

空で留めようとすると、指からこぼれ、光を放ちながら床に吸い込まれていく。

その姿は、スローモーションのようにクミの目に焼き付けられた。


ごめんなさい・・・つけられない。でも好きだった。嘘じゃない、本当に。

官能の世界も素敵だった・・・どんな事をされても嫌いになれなかった。

―そうだ。今から行こう。あの部屋に。これを返しに。逢えるかも知れない。


クミはそのアンクレットを一度も足首に巻かないまま包み直し、タクシーを拾った。


いる気がする。

いて。お願いだから。私に別れを言わせて。謝らせて。



駐車場にハルトのバイクを見つけ、居るのを確信し慣れた部屋の鍵を回した。




「あれ?誰か来たんじゃない?」


知らない女の声が聞こえて、クミは暗い玄関で立ちすくんだ。

二つの靴がある。ハルトと、もう一つは明らかに若い女の履くミュールだ。

ベッドだけの部屋から覘かせた顔は本屋で見て覚えていたミカの顔では無い。

ハルトが後から顔を覗かせた。


「クミ?びっくり。初めてじゃん。一人で来たの」


こっちに向かって歩いてきた顔が、クミにはどんな表情なのか逆光で

分からなかった。


「何してるの?入れよ」

「ばっ馬鹿じゃないっ?入らないわ。3Pでもするつもり?」


真剣に悩んで、泣いたわ。

さっきまで、泣いてたわ。馬鹿みたい。最後まで。



ハルトと女の笑った声が自分を馬鹿にされたと感じた。


「別れを言いに来たの。最低よ・・・アンタなんて。

さよなら!こんなものいらない。鍵も返す」



近づいてきたハルトに、クミは二つの物を投げつけた。


「二度と逢わないわ。電話もかけてこないで。家にも来ないで」


帰りかけたクミに、残酷な気分になったハルトが後ろから言った。


「そんなに怒るなんて。まだ俺の事好きだったんだ?」

「え?」

「で、自惚れてた。自分だけ愛されてるって。俺が本気で?」

クミの唇が奥歯をかみ締めた為に震えた。


「安心しろよ。もう二度と逢わない。電話もしない。家にも行かない」


クミは目を閉じて、下唇を噛み涙をこらえた。


「さよなら」

ハルトはクミの肩を突いて押し出し、ドアを閉じて鍵も閉めた。









「あーらら。お兄ちゃん、追いかけなよ。誤解じゃん」


「黙れ」





もう終わってたんだ。謝られるぐらいなら、こっちの方が俺らしい。






どこをどうやって帰ったのか、クミは自分のベッドで声をあげて泣いた。







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                                    第46話 最終回へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-44wa

                                      第1話から読む方はコチラ



クミは、急いでシーツを剥がし、2回目の洗濯を始めた。

何かしていないと泣いてしまいそうで、

一度涙を落としてしまうと、そこから二度と立ち上がれなくなる気がして、

夢中で家の中を駆け回り家事に勤しんだ。

窓も鍋も全て磨き終わってしまって手持ち無沙汰になり、本を開いたが

ハルトの言動で埋められた頭の中には一行も、一文字すら入ってこない。

いつもと違う事をしようと、夫がいつも使っているPCを何気なく開いてみた。

セツコが楽しいと言ったオークションや、有名人のブログ等、適当にクリックを

繰り返して行き着いた所で、夫のEDを思い出してしまった。

不妊の病院を探したように、夫の為の病院も探そうと思ったが、その行為が

差し出がましく、夫をまた傷つけてしまう気がして、違う事を思いついた。


携帯の履歴は消されてたけど、こっちは?


夫のナイーブな内面を今度こそPCが教えてくれる気がして、ボタンを押した。

クミはPCを使わない、と思い夫は油断をしていたのだろうか。

クミの願い通り、タカシの秘密の性癖の跡は全て残されていた。



まさか―そんな!知らなかった。いつから―?






クミの携帯がメールを受信した。


『ミカが手首切った。今病院。ごめん、暫く連絡できない』

ハルトからだった。






そのままずっとハルトの電源は切られていて、連絡が取れない状態が続き

別れの話は宙に浮いたままだった。こんなに連絡の取れない事は初めてで

ハルトがどこかに潜んでいるのかも、と怯えながらの毎日にクミは疲れ

このまま自然消滅出来ればいいのに、と勝手な事を考えていた。

連絡が取れない事で『死んでいない』と分かるので、最初程心配はしていない。


死んでないから、連絡が出来ないのよね。そうよね?


そういうやり方でしか、自分から離れる男を引きとめられない憐れな女を

クミは学生の時から、何人か見ていた。他人事だったのがいきなり降りかかり

ミカにもハルトにも同情し、ただひたすら、自分の心変わりを責め続けた。


ああ、もうどうしたらいいの?私の馬鹿。みんな私のせい。

時間を戻せたら。もう二度とこんな馬鹿な事はしないのに。



あの日以来、夫はスキンシップに富み、愛が戻りつつある事が感じられる。

だがもちろん、PCの履歴をみてしまった事は、クミの胸に秘めたままだった。







クミの携帯が鳴ったのは次の金曜日の昼だった。


「久しぶり!あぁやっとクミの声がきけた」

「ミカさん、どうなの?」

「大丈夫。死ぬ気なんて、はなから無いよ。

でもマジで大変だったぁ。殴っちゃった事がばれて

俺の親父にも、ミカの親にも殴られたし」


「殴った?ひどいわ。どうしてそんな事したの」

「クミも皆もアイツのキレっぷりを知らないから

そんな事言えんだ。酷いんだって。マジで。

俺だって何度も殴られてんだぜ?」


「だからって」

「でも、ずっと側にいたよ?今までずっとだよ?

1日入院しただけで、後は家だったんだけど、

俺が見えなくなると、半狂乱になるから」



安心して。かえしてあげる。ハルトを


「今、やっと引越しと旅行の用意するからってお許しを頂いて

一人で自分ちに帰ってきた所。ハワイまでに逢いたかったけど

引越しもあるし、無理っぽいんだよねぇ」


「・・・ねぇ、ハルト」

「ホント、ごめん!帰ったら、一杯埋め合わせする!

お土産も買ってくるよ。ミカの目を盗んでね♪」



ハルトの中では、時間が止まっているようだった。いや、むしろ

時計を逆に回していた。クミがハルトを好きだった時まで。







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                                       第45話へ

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kira-43wa

                                      第1話から読む方はコチラ





「俺さ、将来の事考えたんだ」


間髪を入れずに、ハルトが大きな声で言った。


将来?ハルトの将来に私は居ないわ。


「4月から親父の所で働くじゃん?

家を出て一人暮らししろ、だって。

だから、あの部屋に引越しする。いつでも来ていいよ。

鍵はクミしか持って無いから、大丈夫。

ご飯とか作ってくれてたら嬉しいな」


「ハルト」


クミが何とか口を挟もうとするが、ハルトはそうさせない。


「俺の母親、俺が8歳の時に病気で死んだんだよね。

今の母親は3人目だけど、親父、俺が18になるまで

男手一つで俺と妹を育ててくれた。 怖いけど、

尊敬もしてる。だから親父が始めた会社を継ぐ。絶対に」



一体、何が言いたいの?


眉根を寄せて話を聞くクミを見て、ハルトがやっと笑った。


「俺ってどっかの国の皇太子みたい。あんなに若くて綺麗な

奥さんよりオバサンをとるなんてバカな奴って思ってたけど

今なら分かる気がする」


「?」

「最初にいきなりあのオバサンとの結婚は

認めてもらえなかったんだ。親にも周りにも。

あ、奴の場合は国と世間か」



突拍子も無い話に、クミの頭が追いつかない。


「俺、自分が奴みたいだな~とか思っちゃった。いきなり7歳も

年上でバツイチの女連れてっても、頭の堅い親父は結婚を

認めてくれない。一族だってそうだ。古い奴ばっかだし」


「結婚?そんな。勝手に決めないでよ」


ベッドに横たわったハルトは、やっと口を挟んだクミを睨んだ。


「考えただけだよ。大人しく聞けって。無理矢理結婚も

アリだけどそれだと会社から追い出されるかもって。

今更、他で働く気無いし」


「何考えてるのよ・・・」

絵空事が可笑しくて、クミは不謹慎にもつい噴出しそうになった。


「真剣に考えた訳じゃなくって、なんとなく、だってば。

だったらさ、奴みたいに何年もたってから結ばれるって

のもロマンチックでいいかな。なんてね。

俺が実権を握った頃だったら誰にも文句は言わせないし、言われない」



とうとうクミは笑ってしまった。ハルトがとても可愛い子供に思えてしまった。


「笑うなよぉ。そういう約束があれば、元の俺に戻れる気が

する。元の自分に戻りたい。今の俺って情けなすぎじゃない?

マジ嫌だ。だから・・・約束してくれない?

いつか俺と結婚するって。今すぐじゃない。

そうだな・・・20年後ぐらいに」



そんな事は世間知らずな子供が見る夢物語で、実現するはずがない。

ハルトもそれを分かっていながら、言っているのがクミには見えた。


あんなに好きだと思ったのに・・・。もうその時の私は遠い昔みたい。


将来の話をしながらも、二人の顔と声のトーンは別れ話の後そのものだ。

ハルトはそれらを払拭する為に、答えを聞く前に明るい声を出し話を変えた。


「あ、そうだ♪再来週からハワイに行くんだ」

「卒業旅行?いいなぁ」

「いつもの仲間でね。でも金曜日が二回も入ってるんだよな」

「・・・そう・・・」


嫌われた方が気が楽。こんな事を思う日が来るなんて・・・


「あのさ、今日実は、ミカの家からなんだ」

もうそんな話を聞いても、クミの石は大きくなるどころか、何処にも無い。


「コンビニに行くって出て来たから戻らなきゃ。後で電話する」

「指輪、返して」

「ちぇっ覚えてたか」


ハルトはポケットからクミの結婚指輪を出し、一度外に投げる振りをしてから

笑ってクミの掌に返し、ミカの家に向かった。





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                                       第44話へ

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