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ゆり

Author:ゆり
はなわゆりの恋愛小説ブログへ
ようこそ!!


ちょっとエッチな恋愛小説を
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あくまで純愛小説です♪

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kira-39wa

                                      第1話から読む方はコチラ




ハルトを好きだった時の自分の気持ちは幾らでも鮮明に思い出せる。

初めて食事をしたゾクゾク感から、先日した破廉恥な事まで残らず全て鮮明に。


こんな事言われたら嬉しかったはず。・・・って過去形?


「クミは、旦那の前ではあんな可愛い顔するんだな・・・って。

俺の前では、泣いてる顔だけ」



ハルトは、舌打をしてから自嘲気味に笑った。


「ああ・・・駄目だ。最近の俺。神の子じゃない。

テンション下げまくり・・・何もする気にならない」



クミの顔を見ないままハルトが話す度に、ヒビの入った石から破片が飛ぶ。

その石は、本当は天然石の原石で、いつかハルトによって磨かれる事をクミは

望み、待っていた。今はただ、困り果てている。


「信じてもらえないと思うけど、あれから誰ともセックスしてないよ。

なんか出来なくなった。クミと旦那の事ばかり考えて・・・」



ハルトはそう言った後で、「くそ」と言った。

前の車がトロトロ走っているからかもしれない。


「・・・またこんな事告白して・・・恥だ。クミ、何か喋って。

このままだととんでもない事言いそう。俺の口を止めてくれ」




そうよ。こんなの、ハルトじゃない。一体どうしちゃったの?



「その結婚指輪・・・絶対外さないもんな。やっぱり旦那が好きなんだ」


愛したいのに、拒否され続けて来た。だけど・・・最近のタカシは・・・


その後はハルトも黙り、クミが言葉を探している内に車がいつもの所に止まった。

ハルトは、いつもは焚かないハザードを点滅させ、激しいキスを求めた。

両手でクミの顔を挟み、唇を離しては両目を交互に見つめ、そしてまた強く唇を

押し付ける。何度も何度も、それは繰り返された。

二人の車の横を 何台かのヘッドライトが通り過ぎる。





「見られるわ・・・」


クミが唇の横から言ったが、ハルトは無言で舌を動かし続ける。




「駄目よ・・・もう降りる・・・離して・・・」


ハルトは突然、背骨が折れる程の強い力でクミを腕に抱いた。

また時間だけが過ぎる。そんな状態のハルトにクミは何もいえなかった。

ハルトの心が痛い程伝わり、せつなくて、胸が潰れそうになる。

遠い昔、タカシもプロポーズの後でこんな風にクミを抱いた。

その二年後には、夫は兄になり、今ようやく元に戻りつつある。







「ごめん。遅くなった。クミを帰さなきゃ・・・」


ハルトは、決心したようにクミを引き剥がし、そしてまた顔を背けて言った。


「明日、いつもの時間にここで待ってる」

「・・・うん・・・」


クミは唇を拭いながら車から降りて早足で自宅へと向かい

玄関のドアを閉めた瞬間に ぐにゃりとしゃがみ込んだ。


「どうしよう・・・どうしたらいいの」


両手で顔を覆ったクミの携帯が鳴った。


非通知?

「ババァの癖にっ何考えてんの?キモイんだけど」

「え?」

「鏡見た事あんの?馬鹿じゃない?遊ばれてるだけなのに」

「どちら様でしょう?」

「上品ぶっちゃって。ハルトの女だよ。知ってるんでしょ?」

「・・・」

「別れないんなら殺すからね。あ、それとも旦那にばらそうか」

「・・・」

「ハルトはミカのモノなんだからねっ」




若い女に一方的に捲くし立てられて、切られた電話にクミは呆然とした。

タカシが変わり、広まった波紋。崩れたバランスは、ミカをも狂わせ始めていた。











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                                       第40話へ
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テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-38wa

                                      第1話から読む方はコチラ



ストーカー殺人・・・昨日も新聞に載ってた。でも何の為に?誰の為に?


そう思うと気を取り直した。


ありえない。そう、ありえない・・・ハルトは、そこまで私を好きじゃない。


「うん。仕事中って感じだった。オメガちらちら見てたもん。

結婚指輪もしてた。どっちもクミとペアだね」



クミは閉じた右手を口元に当てた。そうすると、少し落ち着いた気がした。


「でさ、コイン二枚余ったから、俺の皿に入れてったよ。

いい奴だね。

でも、煙草吸いすぎじゃね?俺吸わないからさぁ。

隣に座ったのは失敗だったかも。奴の煙が服に染み付いてる。

息したから、体にも入ってる。嫌だなぁ・・・」




「お願い・・・もう・・・マンションには来ないで」

「は?頼まれたって行かねぇよ。二度と行かない。

だって・・・俺、クミの旦那に超ヤキモチ焼いた。

今日は偶然会っただけ。見たくもなかった!」



ハルトは突然車を道の横に止めた。ビーっと後続車がクラクションを鳴らし

回転数を上げて追い越して行く。ハルトは不機嫌な声で相手を罵り

ギアをパーキングに入れ、サイドブレーキを引いた。











「なんかさ・・・最近、俺・・・情緒不安定」

ハルトはハンドルに顔をうずめた。







時間が無い。早く。

いつものハルトの口癖をクミが言いそうだった。






7時にはタカシが帰ってくる。夕飯を早く作らないと。お願い車を動かして・・・

































































「ヤキモチって・・・こんなに苦しくなる?」



クミは驚き、車に乗ってから初めてハルトの方を見た。

その一言だけで、クミの胸の中で凝り固まったハルトへの疑念の石に

大きなヒビが入り、砕け始めた。


ヤキモチ?ヤキモチって言った?ハルトが?まさか・・・。


「クミが旦那と買い物して笑ってるのを見て・・・俺・・・

馬鹿な事したって。見るんじゃなかった・・・って」


ハンドルを一度叩いてから顔を上げ、ハルトは遠くを見つめた。


「後でからかってやろうって思っただけなのに。

悲しくて苦しくて、いてもたってもいられなくなった。

その夜全く眠れなくって、朝、またマンションに行って・・・

旦那を見送るクミを見て。うわぁっ俺はマヌケな間男だ、なんて」



ハルトの声がどんどん小さくなる。クミは眉をひそめてその月曜日を探した。


そういえばゴミ出しのついでに、エレベーターの下までタカシと行った、あの時?

いつも玄関で見送るのに。なんて間の悪い・・・



「だからもう二度と・・・見ないって決めた。

見てらんないよ。クミのあんな顔・・・」



クミの口は閉じたままだ。初めて見たハルトの姿に居心地が悪くなる。



ヤキモチ?ハルトが?ありえない・・・。

その後のメールでも、そんなそぶりは全く無かったじゃない?




「うわっはっっじぃ!俺とした事が。今の、忘れて!

こんな事言うはずじゃなかった。

あぁ、なんで今日パチンコ屋になんて行っちゃったんだろ」



ハルトは赤面した顔を上げると、再びギアをドライブに入れた。


「だってさぁ、他の女ってすぐに俺に夢中になるよ?

誰もが俺の家に転がり込もうとするのに」


車を走らせたハルトは普通の、どこか高飛車な声に無理矢理戻した。

運転がいつもより乱暴で、曲がる度にクミの体が傾く。





どうしよう・・・どうしちゃったの、私・・・




量りかねていたハルトの本心が伝わった途端、クミの気持ちは萎み始めた。







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                                       第39話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-37wa

                                      第1話から読む方はコチラ




辺りを見回してから、車に乗ったクミは出来るだけ優しい声でハルトに尋ねた。


「どうして主人の顔を知ってるの?びっくりしたんだけど」


「言い忘れてた。てか、黙ってようって思ってたんだけど

今日偶然見ちゃったから、俺もびっくりしてさぁ。

つい書いちゃった。 ちょっと前の日曜日、

サーフィンが駄目になって、ミカも風邪だし

一人で暇だなぁって思ったら、急にクミに逢いたくなって」



一言も聞き漏らすまい、とクミは手を伸ばして騒々しいカーステレオを消した。


「マンションまで行ったの。出てこねーかなって」


どの日曜日?


「そしたら、旦那と二人で出てくるの、見ちゃった。

澄ました顔でボルボなんかに乗っちゃってさ」


「なんでマンションに来るのよ・・・」


へへ。と笑うハルトをクミは見る事が出来なかった。


その時見ただけで、パチンコ屋で見つけられるはずがないじゃない。


「暇だったから後つけちゃった。

新しいショッピングモールへ行ってぇ

旦那とクミの服を買ってぇ~その後、食料品」



あぁ、あの日曜日・・・・まさかつけられてたなんて!


前を見つめ続ける無言のクミに、運転しながらハルトは話し続けた。


「レタスと、大根と・・・色々買ってたね」


クミの心臓が激しく打ち出した。ハルトの声色が、何となく暗くて怖い。


「仲いいじゃん・・・旦那と」

「そんな・・・そんな事ないけど。どうしてつけてなんか・・・・」

「すんげぇ幸せそうな二人だった。俺とあんな事してんのに」


その時、ハルトの携帯が鳴った。


「あっ電源切るの忘れてた!ヒロユキだ。・・・拒否」


ピッピーと携帯が音を立てた。


「ミカ・・・さんじゃないの?」

「違うよ。ミカだったらミカだって言うじゃん。

あ、そうだ。これ戦利品」



ハルトはクミの手の上に箱を落とした。もう何個目かになるピアスだった。


「なに?もっと嬉しそうな顔してよ。景品だから嫌なの?」


ハルトは ムカとした声を出してスピードを上げた。


「今日さ、パチンコ屋でコーヒー姉ちゃんと話してたら

横の自販機に買いに来たおっさんがクミの旦那だったんだ。

顔みてマジびっくりしたって。おお!偶然!って言いそうになった。」


潰れそうな胸のクミと反対に、ヒャヒャヒャとハルトは暗い声のまま笑った。


「その後、隣の台に座っちゃった」

「隣に?わざと???」

「だって、その台出そうな気がしたから・・・てのは嘘。

クミの旦那を近くで見てやろうと思ったのが本音・・・かな。

ちょっと興奮した。横目でジロジロ見てやったよ。でもその台

ホントに出たから良かったぁ。2千円で来たもんなぁ。

連荘だし。はまってた旦那、驚いてこっち見たぜ。快感♪」



ほら、とハルトは折り曲げた一万円の束を出した。


「・・・何か喋ったの?」

「もちろんじゃん。お前の奥さん、良い体してるよなぁ。

反応も最高。何でやらないの?って言ってやった」


「ハルト!」

「嘘だよ。馬鹿。そんな事言うわけないだろ?喋ってないよ。

隣で顔見るなんて出来ねぇし。観察しただけ」



ハルトはケタケタ笑った。


「旦那、目押し完璧だったぜ。打ち込んでるね、あれは。知ってた?

でも今日は負けだね。なんか、勝ったのが余計に嬉しかった。」


「仕事の打ち合わせの空き時間に、行ってるって事は聞いてたけど・・・」


クミの声が、ますます硬く低くなった。





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                                       第38話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-36wa

                                      第1話から読む方はコチラ



「・・・そうだよな。クミは昔っから外国に住みたがってて

その為の英文科だったんだもんな」


「まだ決まってないのに、気が早いったら」

「うわ。そんな事言う?今度こそ大丈夫。そんな予感がする」



夫から、何年も、何回も同じ事を聞いていたクミは曖昧に微笑んだ。

移動の時期になると「今度こそ俺だ」と言い、結局願いが叶わずに

極端に落ち込んでしまう夫と、その都度距離が開いて行った。

最初は子供みたいで可愛いと思い、大きな背中をさすって慰めていたが

そんなクミを置いて、夫は一人になりたがり、殻に閉じこもろうとする。



海外赴任なんて、仕事なんてどうでもいいじゃない。私がいるじゃない。

こっちを向いて!私の顔をちゃんと見て!




クミは背中に向かって、心でずっと叫び続けてきた。

ぼんやりとスクランブルエッグを口に運んだクミにタカシが言った。


「ごめんな」


突然の言葉に、クミはフォークを落としそうになった。



「な・何で謝るの?」


「いや・・・」


タカシは慌ててパンを口に詰め込み、自分をそれ以上話せないようにした。







今度こそ、本当にNY支社への栄転が有力視されているらしいという事実は

タカシに心の安定を与え、視野を広げさせた。その日以来、帰宅時間が

とても早くなり、クミと夕食を共にし、真の笑顔を見せるようになった。

仕事の内容の話こそしないが、ビールを飲みながら楽しそうに部下達を褒めたり

交わした冗談などを披露し、クミを笑わせようとする。その姿は、ハルトと出逢う

前のクミが、ずっと戻ってほしいと願っていた元の夫そのものだった。



転勤になったら・・・どうしよう。



クミの中のその思いが薄れて行き、影を潜めていた夫の存在が膨らみはじめる。

自分は人生の岐路に立っていて、運命の神様に試されているような気がして

いたのに、夫の笑顔が嬉しくて、クミも再び夢を一緒に見たくなって来る。

ハルトに恋をしながらも『離婚』という選択肢は無かった自分も思い出した。

自分が愛し、信じていた夫から永久に得られなくなった事を与えてくれる

人が欲しかった。必要とされたい。愛されたい。ただそれだけだった。という

言い訳さえ思い浮かぶ。ちゃんとクミの目を見て話す夫によって

ハルトへの想いが次第に冷静に、沈着に、整理と分析が行われ始めた。



ハルトを好きだけど、まさか結婚して欲しい訳じゃないし・・・

一体、何の為にこんなリスクを背負った事をしてるんだろう?


でも、逢ってしまう。


何されるか分からないから?違う。

ハルトを好きだから・・・それに・・・まだ足りない事があるから・・・




タカシは、金曜日の飲み会さえ早く帰るという宣言をし、人が変わったような

突然の変貌に戸惑いながらも、クミは本当は嬉しかった。

だが夫が優しくなればなるほど、今度はハルトへの罪悪感と迷いが深くなる。



ずるいのは、本当は私?



それをハルトも察しているのか、何故か最近、時折暗い目を見せる。

ただでさえ脆かったバランスが崩れ始めていた。






2月最後の木曜日、クミがパートを終え、いつもの様にロッカーを閉めてから

メールをチェックするとハルトから2件入っていた。一件目は12時すぎだ。


『暇すぎなので一人でパチスロ行って来ます♪』


二件目はついさっき受信したようだ。卒業も決まり、父親の元で働く事が

決まっているハルトは、クミへのメールにやたらと『暇だ』と入れてくる。

しかも、一人で過ごしていて、女達と逢っていないと主張するメールばかりだ。

先日は、金曜日でもないのにパート帰りのクミを 突然車で迎えに来た。

部屋へ連れて行かれるのか、と心配したが、ハルトは不思議な程大人しく

帰って行った。歩きながら次のメールを開けて、クミは凍りついた。



『勝った!あ、そうそう。クミの旦那がいたよ。負けてたけど^^

今日も送ってあげられるよ♪こないだの所で待ってるからね』





どうしてタカシの顔を知ってるの?

写真も見せた事が無いのに・・・









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                                       第37話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-35wa

                                      第1話から読む方はコチラ



2月半ばの日曜日、10時前に起きてきた、タカシの機嫌はとても良かった。

新聞もそこそこに、ブランチを用意しているクミにまとわりつき、話をする。


「覚えてる?俺の同期のヤマナカ。俺達の結婚式にも呼んだ奴」

「もちろん、覚えてるわ」


彼は3年前に、タカシが切望していたニューヨーク支社に転勤になり

クミが聞いた限り、今は最年少の支店長代理のはずだ。


もちろん、覚えてるわ。

ヤマナカさんの栄転から、貴方は私に触れなくなった。



「あいつ、何かヘマやったらしい。多分もうすぐ帰ってくるよ」


タカシは心から嬉しそうな顔をしていた。

そのポストは自分だと言いたげだった。


「部長が最近俺に優しいんだよな」

「良かったじゃない」


クミは、つい肩までのカールしている髪の毛を耳にかけてしまった。


本当に転勤になったらどうしよう


と、動揺してしまったからだった。



「あれ・・・?」


至近距離で見た、桃のような産毛の生えたクミの耳を可愛く思い、見つめた

タカシは、知らない間に空けられていた妻のピアスホールを見つけてしまった。


「ピアスいつしたの?」

「気付くの遅すぎ!去年あけたのよ?」

「なんであけたの?もう30なのに今更」


いつになく、タカシはクミをからかう口調で言った。


「ひどぉい。だって、パートの友達も皆あけてるし」

「痛いのが嫌だって言ってたのに」

「そんなに痛くなかった」

「へぇ?そうなんだ」

「ほら、座って。食べましょ」


クミの手は震えていて、そ知らぬ顔を必死で作っていた。


気付いたのは、それだけ?ねぇタカシ、それだけなの?


「今日は何処へ行こうか」

「新しいショッピングモールが出来たでしょ?あそこに行きたい」

「じゃ、服でも買うか。でもクミの買い物長いからなぁ」

「ううん。今日こそ、貴方の春物の服を買いましょ」

「そういって、いつも自分の買う癖に」


新聞無しの明るい会話のブランチは久しぶりで、

クミは初めて、タカシに謝罪する気持ちになった。


ごめんね・・・。本当に、ごめんなさい。


目を伏せると、クミの長いマツゲが一層引き立つ。タカシは目を見張った。



こんなに綺麗だったか?



一段と肌理細かくなった肌、何度気にならない、と説得してもクミが断固として

譲らなかった、浮きはじめたシミでさえ薄くなってる事に夫は気が付いた。


まさか?いや、そんなはずは・・・。クミはそんな女じゃない。


タカシは、急に真面目な顔になりクミの瞳を見つめた。


「クミ」

「はい」

「俺が転勤になったら・・・ついて来てくれるよね」

「・・・どうして?」




ごめんなさい・・・



「いや、パートが楽しそうだからさ。友達も沢山出来ただろ」

「うん。楽しい・・・けど・・・いつでも辞められるわ」




―だけど―ハルトとは―








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                                       第36話へ

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kira-34wa

                                      第1話から読む方はコチラ



「俺が顔出した時、どう思った?」


歯がうずいた・・・と思ったが、それは恥ずかしかったので、言えなかった。


「かっこよかった」

「おいおい。それじゃ全然駄目。・・・濡れた?」


とても柔らかいものでクミの乳首が撫でられた。


「きゃっ何それ」

「秘密。ねぇ、濡れた?」


そう言いながら、つつつ・・・と胸の辺りをまた撫でる。


「濡れ・・・たかも」

「濡れた癖に。俺の顔見ただけで」


これは、筆だ、とクミは思った。


「濡れ・・・ました・・・あっ」


ふぅっとハルトがクミの乳首に冷たい息を吹きかけた。


「どうしたの?トイレ行って」

「拭きました・・・」


クミの声が震え始める。


「んもぉ。全然駄目。もっとエロク、もっと盛り上がってくれなきゃ。

質問変える。ん・・・と。






・・・・・・電車で痴漢されたね?」



筆が耳の穴をくすぐった。耳の弱いクミはシーツを握った。


「知らない人に、あんなに濡れちゃうなんて。そんなに感じたんだ?」



痴漢はハルトだった癖に・・・



「やっぱ、変態だ。クミは」


違う・・・と言おうとするのに、呻く声しか出ない。

また筆が下りてきて、クミの乳首に触れた。


「あんん・・・嫌・・・」

「すんなり知らない男の指を受け入れるなんて。俺がいるのに。悪い女だね・・・」

「そんな」

「で、クリが固くなってた。いやらしいなぁ」


ハルトは、クミの手をとって硬くなっている自分のものを握らせると


「あの後、どうした?」



と耳に口をつけてまた囁いた。


「え?」

「家に帰って自分でしたんだろ?」


一番小さな声で、言った。内緒話のような声で。


「どうやってやったの?・・・俺に・・・見せて」

「いや・・そんな事してない・・・」

「隠さなくてもいいんだよ。恥ずかしい事じゃないんだから」



ホントにしてない。ハルトとこうなってからは・・・




ハルトは自分のものを握らせていたクミの右手を、クミの股間に持っていかせた。


「大丈夫。見ててあげる。ほら・・・いつもみたいに・・・やってみて・・・」


そのまま、自分もクミの足を広げて間に座る。

クミの体が揺れ、ベッドのスプリングのきしんだ音がした。


「うゎシーツまで濡れてる。触ってごらん」


クミは自分でも分かっていた。声だけで、ハルトが欲しいと谷間が叫んでいた。


「やってみて。いつもみたいに」


クミの指をハルトが動かすと同時に、カチッと音がした。


「何・・・?何してるの?」

「初物のスポットライトだよ。今、二個目をつけた。

今日の俺はショーを見に来た観客。さぁ・・・」



ああ・・・ハルトの声が変わった。

あのハルトが来た。もう逆らえない。

目隠しされていても、照らされている所が分かる・・・熱い・・・



クミはハルトに出会うまで、自分を慰めていた方法で指を動かし

悲しく、せつない声をあげはじめた。









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                                       第35話へ

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kira-31wa

                                      第1話から読む方はコチラ




その手は、ゆっくりとコートを上に手繰る。クミの顔が赤くなった。



それ以上、手が伸びるとパンティを穿いていないとばれる・・・やめて・・・


体をよじっても、手が止まらない。他の乗客は周りに無関心で何も気付かない。

とうとうクミの裸のお尻に達して、躊躇なく撫で回し始めた。

他人だらけの中で声をあげるのは、とても勇気がいる。

クミは若い時も、ただ我慢するだけだった。

軽い抵抗でほとんどの痴漢はやめるのに、今日の男は大胆で、厚かましい。

ピアノを弾くように、人差し指から小指までを順番に肌にあてながら、指が進む。

本当に怖い時は、声など出せないと、痴漢はよく分かっているようだ。

クミは全力で震える足をXにして、背中を丸め、バッグで指の侵入を防いだ。

男は暫くまさぐっていたが、ガーターを撫でた後、またお尻を触り始めた。

クミは、怖くて振り向けないまま、震えながら細長い息を吐いた。

男の指が優しくお尻の割れ目を撫でると、クミの体がびくっと反応した。

ゆっくり下に伸びてくる、いやらしい指の動きにまた顔が赤くなる。

クミは右手を後ろに回して男の手首を握り、押し戻そうとしたが、それが逆効果に

なってしまい、力の強い男は、とうとうクミの足の間に指を到達させた。

その時、クミのバッグの中の携帯が震えた。



ハルトのメールだ。助けて・・・お願い。助けて・・・



半分泣きながら、バッグの携帯を探ったがこんな時に限って見つからない。

もちろん、助けてくれるはずもないが、ハルトの気配だけでも感じたかった。

油断したクミに男の指がスルリと入ってきて、背筋に汗が流れた。




すんなりと受け入れられたって事は・・・濡れてたの?


感じてなんかないのに・・・私・・・・やっぱり・・・・変態なの・・・・?




半狂乱になって探した携帯を開けると、ハルトからの不可解なメールだった。



『俺だよ♡』



クミがその文字を見て驚いた瞬間に、男は彼女にもたれるように密着して

体を震わせて笑いを堪えた。

窓ガラス越しに 恐る恐る後ろの男を見ると、ハルトのにやけた顔が写っていた。



もぉっっっ驚かすにも程があるゎ!ホントに怖かったんだからっ



クミの睨んだ視線に気がついたハルトが、窓ガラス越しに微笑む。


その顔で一層クミは潤い始めた。

なのに、電車が次の駅についたとたんに、ハルトは電車から降りた。

クミは驚いて後を追い、コートを掴むとハルトは振り返り


「気をつけて帰れよ」


とただ一言だけ言い、立ち去ろうとする。クミはコートを離さなかった。


「何?俺、用事があるんだけど」

「ハルトの匂いがしなかった!」

「当たり前じゃん。俺だってばれたら面白く無いもん」

「ひどいわっすごく怖かったんだから・・・」

「だからメールしたじゃん。じゃぁね、気をつけて」

「そんな・・・・?」



クミは一人取り残され、混乱しながら仕方なく次の電車を待った。

次の朝には、ごく普通のメールが来て、益々クミは混乱した。



『おはよう。今日も寒いね。風邪ひかないようにね♪(^―^)ノ』






その週の金曜日、風呂に入るとすぐハルトはクミにアイマスクをし

そのまま、ベッドまで手を引いて連れて行った。

クミは、ハルトのキスが好きだ。思いっきり口を開けて、クミを噛むようにする。

ハルトの唾液がたっぷりと口に入ってきて、クミは何度もゴクンと喉を鳴らす。

それをされるだけで、体が反応を始める。


「よし♪さぁ、始めようかな。初物で」


クミは耳を済ませたが、カチッとスイッチの音だけがして、後は何も言わない。

バイブでは無さそうだった。


「この前の月曜日、思い出して」


クミは、アイマスクをしたまま頷いた。







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                                       第34話へ

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                                      第1話から読む方はコチラ




4月から、逢えなくなるのかな・・・


丁度「モリヤマ建設」の看板が見えてきた。


・・・耐えられない・・・ハルトが好き・・・


ハルトと交わるようになってから、クミはかなり反応しやすくなった。

顔を脳裏に描くだけで、トロっとしたものが降りてくるので

ライナーが手放せない。


なのに・・・今日は・・・


クミは目を閉じて、一所懸命違う事を考えた。




本屋に制服はなく、緑色のエプロンをつけるだけで私服も特に規制は無い。


「あら。珍しい。いつもパンツなのに」


パート仲間で、クミと仲の良い陽気なセツコが言った。


「えへへ。新しいスカート買っちゃって」

「可愛い・・・クミちゃん、足綺麗だもん。いいな細くて」


店長は、上から下まで甞めるようにクミを見て、薄ら笑いを浮かべた。

ハルトは本屋の話が出る度に『あのゴリラはクミに気がある』と言う。



どうか、私がこんな格好をしている事がばれませんように



お昼前に店頭の本を並べている時、セツコがクミに耳打ちをした。


「ねぇモリヤマ君じゃない?」


まさかと思ったクミが、セツコの視線をたどると、ハルトが本当に店内にいた。

品の良い笑顔で店長と挨拶をして、寄ってきた他の店員と話をしている。


「私も行ってくる!」


セツコはハルトの元へ飛んで行った。クミよりも6歳年上のセツコは

とてもハルトを気に入っていて、突然バイトを辞めた時、本当に残念がった。


『好みなのよぉ・・・ああいうタイプ。一見遊び人風なのに

頭が良いし礼儀正しいじゃない?

辞めちゃってホント残念だわ・・・見るだけで癒されてたのに』



その言葉でハルトの手は伸びていないらしい、と知りクミはホッとしていた。


辞めてから一度も店に来なかったのに、どうして?確認に来たの?


クミはハルトを遠くから見つめた。



クミ・・・



伸ばした熱い舌で蜂蜜をすくい取っては、柔らかい肌を噛む金曜日のハルトが

脳裏で点滅を始める。

残っていないはずの歯型が、再び浮かび上がるような感覚に襲われ

談笑している顔を見るだけで、クミは濡れて来たのを感じた。

太ももを閉じてそれを止めるが、自分の意思とは反対に、多い量が垂れて来る。



どうしよう・・・・トイレに・・・行かなきゃ・・・



その時、ハルトの視線がクミを捕らえた。



「・・・あっ・・・・」



クミの体を電流が貫き、子宮が収縮した。一層太ももに力が入った。

ハルトは誰かと話をしながら、目だけはクミを見る。


その綺麗な瞳が、淫靡に変わる瞬間を 私は知っている。


クミは客に話しかけられて、意識を取り戻し、案内をするためにその場を離れた。

その後トイレに駆け込み、濡れた所を丁寧にペーパーで拭って、急いで
戻ると

ハルトはもう帰っていて、皆に混じって世間話をしてみたかったクミは

肩を落とした。

すかさず、セツコが寄り添い、話始めた。


「やっぱり、モリヤマ君って格好いいよねぇ~!

ホントにアイドルみたい。うちの旦那と比べ物にならないわ」



そのモリヤマ君と、あの部屋で、色んな事をしています。


クミには微笑むのが精一杯だった。








クミが各駅停車に乗り換えるまでの帰りの準急列車は、いつも混み合っている。

【モリヤマ建設】の看板を見る為に、

ドアの横に立ち、手すりにもたれるのがクミの定位置だ。

ハルトと話せなかった事をまだがっかりしながら

電車に揺られていると、コートの上から男の手を感じた。


痴漢・・・?こんな日に限って・・・!!






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                                       第33話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-31wa

                                      第1話から読む方はコチラ



顔を上に向けたまま、クミはさっきの事を回想していた。



ハルトが小さな台所で蜂蜜を温めている間、アイマスクをつけて

言いつけ通り、裸で青いビニールシートに横たわっていた自分の姿。

バラバラ殺人事件を思い出し、ノコギリで刻まれる直前の死体になった

気持ちにさせられた、目の見えない恐怖心。


「怖い。怖い・・・早くして」

「おねだりされちゃぁしょうがないなぁ」


ハルトの足音がして、ノコギリの刃ではなく、暖かい蜂蜜が乳房にかかった時

クミはほっとしたのと、気持ち良さとで、蜜に負けない程の甘いため息を漏らした。



「何ぼーっとしてんの。シャワー使っていいよ。

先にアイツ、片付けとくな」



クミにデコピンをしてから、ハルトは風呂から出て行った。

丁寧に二回シャンプーをしてから部屋へ戻ると、

ハルトが折りたたんだシートの上に正座していた。

空気を抜く為に自分を重し代わりにしているらしい。


「ありがとー!片付けやってくれたんだ?良かった。

またお風呂に入らなきゃいけないって思ってたから」


上半身裸のハルトは額からまた汗をかいていた。

クミはアゴで指された、黒くて大きなビニール袋を開いた。

そこにハルトが苦労しながら、青い物を押し込んむ。

あちこちが引っかかり、中々収まらない。ハルトは大きな舌打ちを何度もする。


「ぁぁっなんだよ。もうっくそっ」


今度は、ゴミ袋の口を閉めるのに悪戦苦闘し、イライラと言った。



「次のパートは月曜日だよね?」

「うん」

「生理じゃないし、パンティを穿かずに行く事ね」

「ええっ嫌!」

「駄目。うゎ~もう手がベッタベタ。超汗かいたし・・・最悪。

二度と蜂蜜なんか使うかっ」


ハルトは乱暴にベランダへとその黒い袋を投げつけた。硝子戸を閉めると

手をバスタオルで拭き、簡単な掃除セットしか入っていないクローゼットを開けて

クミに何かを投げてよこした。

それは、クミがハルトと逢うようになってから良く着ているブランドの紙袋で

不思議に思いながら、クミは急いでその中を開けた。

白いフレアースカートで、クミの趣味では無く多分ハルトの趣味でも無い。


「お願いっっそれ着て行ってね♪」

「いやゃ・・・ヒラヒラやん」

「だからいいんじゃん♪

俺はそのクミを想像して燃えとくからさ。約束。月曜日、絶対だよ?」


「変態」

「それとガーター。こないだあげたろ?それを着ける事」

「・・・」


嫌だけど、きっと私は月曜日にはその格好をするはずだ。とクミは顔を赤らめた。









時間がないなぁ。4月から、親父の下で働かなきゃいけない。

金曜日の夜しかクミと逢えなくなる。それも無理になったらどうしよう?

やりたい事、まだまだ沢山あるからなぁ。ああ忙しい。




月曜日、クミはパートに向かう電車の中で、金曜日のハルトの言葉を回想した。

言われた通り、ガーターでストッキングを吊り、パンティ無しであのスカートだ。

長いコートを着ても、裸のお尻が見えないか、ものすごく気になり

太ももからいくらでも冷たい空気が入ってくる。

いつもは空いた座席に座るが、今日はドアのそばに立って景色を眺めた。







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                                       第32話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-31wa

                                      第1話から読む方はコチラ

甘い事、とは蜂蜜とジャムをローションの代わりに使用する事だった。

「今日は失敗だ。気持ち悪りぃ・・・俺、割りと甘い物好きだけど

二瓶はやりすぎた。毛穴がつまってるって感じ」

ハルトは、ビニールシートから糸を引きながら起き上がり、クミの上に乗った。

「まだ30分しかたってないけど・・・もう、終わっちゃお」

「うん。そうして。ヤバイ・・・私も」

クミも舌を出してオエェと言った。今日の二人は、途中何度もむせて咳をした。

「もう駄目だ。外の空気吸いたい」

終わったとたんにハルトは、裸のまま上半身だけ起こして指を伸ばし
換気の為にベランダの硝子戸を開けた。

クミもズルズルと体をずらして、ハルトの横でベランダに顔を近づけ
首を伸ばして深呼吸を繰り返した。

まだ蕾だったクリスマスローズは、薄いピンクの花となり、下を向き咲いている。
どんな事をした後でも、その花を見るとクミは微笑まずにいられなかった。

「ははっ変な格好」

「だって・・・このシートからはみ出さないようにしないと

あちこちベタベタになっちゃう」

小さなベランダには、青いビニールシートが沢山積まれている。

1枚広げるだけで、充分部屋の隅々までが青くなる大きさだ。

「本当は赤が良かったんだけどな。色気ない青しかなかった」

買って来たハルトは、また口を尖らせて同じ事を言った。

たっぷりの蜂蜜とジャムで、二人の体とビニールシートはヌラヌラと光っている。

窓からの急激な冷気が糖分の熱を下げ、肌を固めだした。

甘く澱んだ空気は、簡単に部屋から出ようとしない。

「どうしよう・・・これ、とれるのかな」

クミの髪の毛は、蜂蜜の糖分であちこち固まっている。

「熱いお湯で、何回かシャンプーしたら取れるよ」

クミの柔らかい部分には赤い歯型が残っていた。

「痛い」と苦痛の声を何度も上げさせないと気がすまないのは、変わらない。

だが、「痛い」と「嫌」を繰り返す程に、クミも燃えるようになっている。

「とりあえず、風呂場行こうぜ」

二人は、工夫しながら体を起こし、爪先立ちで風呂に向かった。

ハルトはシャワーに、クミはぬるい湯船に直行した。

「もう、絶対やめようぜ。蜂蜜・・・まだ気持ち悪い」

「うん。もう匂いも嗅ぎたくない・・・。鼻と喉がイガイガする」

「口ん中、まだネバネバな気がする。もう一回歯、磨こう」

クミよりも、はるかな量を舐めたはずのハルトは2回目の歯磨きを始めた。

「シート、片付けなきゃ・・・嫌だな・・・またベタベタになちゃう」

クミは上を向いて、湯船に髪の毛がつかるようにしながら言った。

「ったく。誰だよ。こんな事しようって言ったのゎ」

「あんたやんか!!」

ヒャッヒャッとハルトは歯ブラシの横から笑った。

「でた!大阪弁!昔に1回やって。ラブホだったから少量で。
それ思い出したらやりたくなっちゃったんだよね」

「そうだったんだ・・・。掃除のおばちゃん大変だっただろうね」

やった事あったんだ・・

正直に何でも話すハルトに、ヤキモチを妬くのも毎度の事だ。

「そうそう。悪い事したかもなぁ」

またハルトは泡の唇でヒャヒャと笑った。

「あのシート、買って良かったぁ。だろ?」

そう言って彼は舌を磨いた。


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                                       第31話へ
kira-29wa

                                      第1話から読む方はコチラ

正月は夫婦で、タカシの両親と兄夫婦とその子供3人が長い間同居をしている
実家へ帰る事が恒例になっている。

同居の心配が無い事も、クミは友達に羨ましがられた。
確かに正月と盆、それと忘れた頃に突然やってくる姑にさえ我慢すればいいのは
同居に苦労している友達を見ると明らかだった。

姑と兄嫁は決して仲が良いとは聞いていないのに、クミが足を踏み入れた瞬間に
二人は強力な仲間になり、クミへの攻撃と嫌味が始まる。

男達の肴を用意する為に、3人で台所に入ったらやはり始まった。
兄嫁が舐める様にクミを見て口火を切った。

「クミちゃん・・・どっか変わった?髪の毛だけじゃなくって」

明らかに綺麗になったクミの肌の事をさしていた。

「そうですか?あ・・・化粧品変えたんです。

パートで出来たお友達にいいのを教えてもらって」

「パート?」

姑が冷たい視線を投げかける。クミは何か都合の悪い事を言われそうになったら
非難を受けると思い、黙っていたパートの方へ持って行こうと作戦を立てていた。

「すいません黙ってて。本屋さんで働いてます」

「子供も居ないのに。タカシのお給料じゃやっていけないの?」

「そんな訳じゃないんですけど」

険しい顔の姑から逃げるように台所を後にし、一品を持ってリビングへ向かった。

あーうるさい。何かって言うとすぐ子供!私のせいじゃないのにっ
もう何年もレスだって事、教えてやりたい。だけど、きっと私のせいになる。

心で毒付きながら、タカシも気付いていない、イブの日にハルトがあけた
ピアスだけは見つからないように細心の注意を払い、髪の毛で耳を隠した。

そして体調不良を理由に、クミは夫を実家に残し、強引に家へと帰った。
そんな事をしたのは、結婚して初めてだったが、ハルトに逢う訳では無かった。

お正月の間、ミカと旅行に行くって言ってたなぁ・・あぁ逢いたい・・・

クミの体調不良は本物で、ハルトに逢えない初めての禁断症状だった。


クミのピアスホールが安定し、二人が12月から逢瀬を重ねる様になってから
あっという間に2ヶ月たち、2月に入った。

飽きる事の無いようにと、ハルトが毎回趣向を凝らすのに
クミは感心し、よくこんな事を考えるわ、と変な尊敬さえしている。

下品な事もするが、普通の恋人達がする事も ハルトは好む。

ハルトが自分に抱いている本当の気持ちは量れないままだが
彼女の夫や彼の恋人にばれる事なく、クミの恋は進み続けた。

クミは俺の癒し系。だって女ってすぐにキーキー怒るじゃん?
くだらないヤキモチなんかで怒られると、すぐに冷めちゃうんだよね。

先手を打つかのように言われると、クミは何も言えなくなる。

ミカ・・・さんは、ヤキモチ妬いたりしないの?
アイツ、キャバ嬢だから、自分の方が悪い事してるんじゃね?
ハルトはヤキモチ妬かないの?
ヤキモチ?俺が?ありえない。そんなの恥だよ、恥。

逢わない間の過ごし方の詮索はお互いにしない。

クミは聞いてみたいのだが、ハルトが聞かないのでその気持ちを抑えている。

ハルトへの疑問やジェラシーは、クミの中で少しずつ少しずつ形を成して行く。

小さなしこりが、石のように、逢う度に醜く硬く大きくなる。

それでもこの部屋に、クミと違う長い髪の毛や、ピアス等女性が残した形跡を
発見する事は一度も無かった。不思議と、そういう礼儀は守るハルトだった。

『クミのお陰でこの間、縄師の初段取れたから(爆)次は甘い事ね♡』

ハルトのメールはいつもクミを微笑ませ、ときめきを与える。



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                                       第30話へ


kira-28wa

                                      第1話から読む方はコチラ




部屋の中は、前と違い、熱いくらいに温度が上げられた。


「ごめんね。傷になっちゃった・・・」


手錠を外し、クミの薄皮が剥けた所を ハルトは動物の母親みたいに舐めた。

その後で、ベッドにもたれて床に座り、服のまま甘く優しい目をして

おいで、何もしないから

と手を広げ、クミを長い足の間に、自分を椅子に見立て座らせた。


「小学校1年生の時の・・・その好きだった先生を困らせたくって

スカートめくったり、めちゃくちゃいじわる言ったりしてたんだ」


ハルトはクミの手首を舐めたり、擦ったりして話続ける。


「挙句に泣いちゃったんだよね。でも、俺止めなかった。

その怒った顔とか困った顔とか見たくてね。

今もそんな感じなのかもなぁ・・・

・・・何か言ってよ。まだ怒ってる?」

「ううん。なんか、ボーっとしてるの」

「俺、いつも一人で話して、頭おかしい人みたいじゃね?」


あ、やっと笑った。


「ねぇ今日みたいな事さ、やっぱりもう出来ないな」

「捕まっちゃうじゃない」

「それもあるけど、俺、綺麗好きだし」

「ひどい。それだけ?」

「うーん・・・違うかな。クミが可哀想に思う自分もいた。

でも、今更後に引けねぇ、で強行突破」

「そんな風に見えなかったわ」


咳を一つしてハルトは、クミの肩に顎を乗せ、前で本を開き読み始めた。


「ほら書いてるんだよね。SMは、精神が強く結ばれてる人とって

・・・高い世界じゃない?」


そうかも知れない。ハルトとしか出来ない。


SMは究極の愛、と援護するような事も書かれている。


「手首にかからないように、ゆる~くするから、やっていい?」


とてもそんな気持ちになれないのに、ウズウズしているハルトにクミは苦笑した。


「ゆる~くね。とても緩く」

「女神様にお許し頂いた!やった♪」


本を見ながら、真剣な表情をして縄を持つハルトの顔に、クミはどうしても弱い。


きっと誰よりも似合うわ。とてもセクシー・・・


服を着たまま、言った通りに緩く、思ったよりも伸縮性のある縄が巻かれ始めた。


「これ考えた人、すげぇよ。尊敬する」


赤い縄がクミの全身に張り巡らされた時、ハルトの目の色が変わった。

それを感じたクミも賭けを思い出し、イブを自分と過ごしてくれるハルトに

すべてを委ね、身を任せる事にした。【お仕置き】が怖い訳ではない。

あの行為の途中で自分だと明かしたハルトに 一筋の思いやりを感じていた。


「忘れないうちにもう一回。いいよね?

あぁジーパン、かなり汚れてるよ。脱がなきゃ」


縄を外しながら言う、ハルトの上ずったような声にクミは蕩けはじめた。



灯り、消して。


分かってるねぇ。イブだもん。蝋燭つけなきゃね。それも沢山。本が見えるように


・・・素敵。こんなに一杯用意してたの?


そうだよ。クミと俺の新しい世界の為に


あ、やっぱり濡れてる。これ、俺の?こんなに出たのかな。それとも・・・


・・・いや・・・


下だけ脱いだら変だから、上も脱ごうね。心配しないで。跡がつきにくい奴だから


・・・痛くない?さっきよりもキツイけど。


大丈夫


俺達すごく上手く行くと思わない?


・・・また無言?いいよ。顔で分かる。体でもね





薄いカーテンの向こうのクリスマスローズが、二人を見つめていた。










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                                       第29話へ
kira-27wa

                                      第1話から読む方はコチラ


中で果て、動きの止まったハルトは、クミの髪の毛を何度も優しく撫でた。


「ね?知らない人に、こんな事したら捕まるでしょ?」


耳元で囁いてから、クミから少し離れた。


「手錠・・・外して」

「怒らない?怒ってない?」

「早く外してよ」

「だぁめ。怒ってないって言って」


ハルトはからかう様な愉快そうな口ぶりで言い、自分のチャックを上げた。


「怒ってない」

「駄目だぁ。怒ってるもん」

「手首がすごく痛いの・・・血が出てるかも」

「クミが悪いんだよ。俺をこんな気持ちにさせて」

「早く!外してよ」

「ふぅん。そんな事言うんだ。こないだも偉そうに言ったね」

「ハルト?」

「今、俺がこの場から立ち去ったら、クミはどうするの?」

「何言ってるの・・・」

「手錠されて、Gパンも脱いでる。

男に発見された時、恥ずかしいよ?本当に犯されるかもね」

「お願い・・・外して・・・」

「駄目。反省してない。大声出して助け呼びなよ。じゃぁな」


本当にハルトの足音が遠のいていく。深い闇がクミを包み込む。


「ハルト!お願い。待って・・・ひどいわ」


今になって立っていられない程の震えが来て、クミは膝を地面についた。

自由の利かない両手、片方だけ裸の足での正座、垂れた頭。

異常なハルトの行動は、クミの思考を狂わせる。


「俺の言う事、聞く?」


冷たいコンクリートが遠くの声を跳ね返した。


「聞く・・・聞きます」

「何でも?」

「うん。何でも」

「もう勝手に電源切らない?」

「うん」

「今度やったら、もっとひどいお仕置きだからね」

「・・・はい」

「でもさぁ、ここ暗いからなぁ。明るい所じゃないと」


コートから懐中電灯を出したハルトは、クミのジーンズを上げ靴と鞄を探した。


「もう泣かないで・・・ごめんね。俺の車に行こう。そこで外すから」


ハルトのコートを肩からかけられた、手錠をされたままのクミが

わき道に止めてあった背の高い車の助手席に乗ったとたんにハルトは

やっと思い出したかの様に、馬鹿程わざとらしく言った。


「あ。鍵、部屋だった・・・」


右側の顔だけ歪めて笑う顔を見たクミは、覚悟を決める他なかった。



逃げられない



「あの部屋に行かなきゃ。そこで外してあげる」



堕ちていく。

狂った深い闇の中に。

常識があてはまらない所に。




車を走らせたハルトがクミを引き寄せて、自分の腿の上に頭を乗せさせた。


「また別れようとでも思ってた訳?無駄だよ」


全てを諦めたクミは、髪の毛を梳く手にあやされる様に目を閉じた。

こんな卑劣な事をされても、ハルトを憎めない自分を恐ろしく思いなが
ら。


「昨日やっと熱が下がってさ」

「今日・・・予定あったんでしょ?」

「親父を急病にした。今からクミとパーティだよ」


ハルトのいつものココナッツの香りが、車中に充満していてた。







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                                       第28話へ
kira-26wa

                                      第1話から読む方はコチラ




電源を切っている私が心配で、逢いに来てくれたら。


きっと・・・許してしまう。


本当は許したいの。続けたいの。だから。逢いに来て。お願い。




強く念じてもハルトはどこにも現れず、別れの決意が硬く固まった。

クミのマンションは各駅停車する電車しか止まらない駅にある。

クミが帰る時間は通勤ラッシュにはまだ早いので、降りる人はいつも少なく

同じ方面に向かって歩く人は まばらだ。

一人分の夕飯を作る、とてもそんな気分にはなれず、

小さな商店街でお惣菜を2種類買い、また雪が降り出しそうな

冷たい空気の中、コートの襟をたてて家までを歩いた。

ブルブルと身震いすると、内臓までが寒さに震え、孤独が体に染み渡った。



・・・ありがとう・・・楽しかった・・・さよなら・・・



歩きながら別れの言葉を考えるクミの頬に、冷たい涙が落ち始めた。

施主と揉めているらしく、工事の途中でもう何ヶ月も止まったままの

マンション建設現場が暗がりに見えて来て、ハルトの声が頭を過ぎる。


「ここ物騒だなぁ。やっぱり送ってよかった」


前にこの道を歩いて送ってくれた時の、甘いハルトをつい思い出した。


馬鹿な私。もう二度と浮気なんてしない。恋なんてしない。


そう思ったとたんに物陰から出て来た手に後ろから口をふさがれ

強い男の力で、クミはその建築現場の中に引きずり込まれた。

急に景色が変わり、クミには何が起こったのか理解できず

恐怖に喉がひきつり、叫ぶ事も抵抗する事も出来なかった。

そのまま真っ暗な中を クミは引きずられながら運ばれ、一番奥の冷たい壁に

乱暴に体を押さえつけられた。男は後ろから、全体重をかけて自由を奪い

クミの両手を捻り、後手に冷たい手錠をかけた。

カチャリという絶望的な音が聞こえた時に、クミにやっと感情が生まれた。


助けて。誰か助けて!!!


悲痛な助けは、涙で篭った声にしかならなかった。周りは畑になっていて

余程大きな声を出さないと、クミが歩いていた所まで、聞こえるはずもない。

再びクミの口を手で覆った男は、荒い息のまま耳元で囁いた。


「しぃー。叫ばないで。俺だよ」


パニックに陥ったクミがその言葉を理解するのに、長い時間を要した。


「だいじょうぶ。おれだよ」


男はズボンを下げながら、もう一度言いゲホゲホッと咳をした。

やっと理解したクミはコートをたくし上げられ、ジーンズのボタンを外された。


「なんでジーパンなんてはいてんだよ。脱がせにくっっ」


ブツブツと独り言を言いながら、ハルトはゆっくりと右足だけ抜かせた。

靴がコンと落ちた音が響き、クミの足に寒さの為だけではない鳥肌がたった。


「ほんとにハルトなの?」

「気付くの遅いよ」

「どうして・・・なんでこんな事・・・」

「お仕置き」

クミは前に向かされ、月経の終わったばかりの乾いた所に突き立てられた。


「クミが悪いんだよ」

後ろ手にされた手錠がガチャガチャと音をたてる。


「痛い、、、痛いわ。やめて」

「しぃっ誰か来たらどうするんだよ」


コンクリートの壁に、クミの背中を押し付け、激しくハルトは突いた。


「いやだってば・・・痛い・・・ぁぁ・・・」

「何で電源切ってるんだよ。俺が何回電話したか・・・」

ゲホッゲホッ

「こんな寒い所で、ずっと待ってたんだよ?」

「だって、だって」

「あの後すぐ、電話したのに」


はぁっはぁっと熱く荒い息をしながらハルトは小さい声で言う。

怖かったのと、

ホッとしたのと、

別れようと思ったハルトだったのと、

が入り混じり

クミの涙が流れ続けた。






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                                        第27話へ


テーマ : 恋愛小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-25wa

                                      第1話から読む方はコチラ


月曜日の朝、夫のタカシは いつもの通り鏡を見ながらネクタイを締め

鏡越しにクミに話しかけた。
 

「すっかり言うの忘れてたよ。水曜日から出張だ。

今回は一泊だけどね」


「そうなの?イブなのに、ご苦労様です。どこに行くの?」


クミの胸は高まり、でもすました顔で夫のスーツにブラシをあてる。


出張!外泊が出来る。だけど・・・イブなんて。

ハルトはどうしてるかしら。何て言うかしら。



「大阪。サラリーマンに、イブもクリスマスも関係なし」


手のひらを出したタカシに、ネクタイピンを落とす。


「そうよね。ご苦労様です」


クミからもう一度夫をねぎらう言葉が出た。もはやそれは妻の口癖だった。


「お前も仕事だろ?」

「うん。じゃぁケーキは一人で食べるのね。なんか寂しい」


次は上着に手を通しやすいように、広げて待つ。

新婚の頃、上着を持ったクミを闘牛士みたい、とタカシは笑った。

月曜日から金曜日まで、5年間繰り返されてきた、朝の支度。

何もかもが、絶妙のタイミングで行われる。

当たり前にこなして来たが タカシが気付かないのをいい事に、クミは

夫の目の前でも、図々しくどこかでハルトを想う。


ねぇ、私達に子供がいたら、ちょっとは関係が変わったのかな。


何百回も言おうとして言えなかった、そんな事は、もう頭の隅にすらない。


「明日出張の支度、頼むな」

「はーい。いってらっしゃい」


ハルトへのプレゼント何にしよう・・・

タカシへのプレゼントは、古くなった電気シェーバーの代わりを用意していた。

ハルトへのプレゼントは、悩んだままだ。

夫を玄関から送り出して、クミはハルトからいつも来る8時のメールを待ち

そして、賭けをする事にした。

―もしもハルトがイブに自分と過ごしてくれたら―

何されても、ハルトの言うなりになりきろう。

―もしも、過ごせないと言われたら―

ハルトの言葉に惑わされず、自分はセフレだときっぱり線を引く。


『おはよう。まだ熱が下がらないんだよね。最悪』


やっと来た8時丁度のメールに、クミはドキドキしながら返事をした。


『大丈夫?早く治してね。ところで・・・

水曜日、旦那さん出張で帰ってこないって・・・ハルトの予定は?』



送信ボタンを押すと、本当に心臓が音をたてて、手に汗が滲んだ。


恋人なのか、奴隷なのかの、発表みたい。


でも、勝手に賭けをしたクミは、どっちと言われても、困る気がした。


変な賭けなんて、するんじゃなかったかも。


『無理』


直後に冷たくて短い返事が来て、思いがけない文字にクミは身震いした。


賭けどころじゃないわ。何?この冷たい返事。

身分を思い知れって事?最低!



何を書いてもハルトを責める言葉になりそうで、返事が出来ないと思ったクミは

電源を切った。怒りの涙が滲んで、はっきりと別れまで決心し、パートに出た。


いつもハルトはマメにメールと電話をくれる。

他愛の無い内容でも、逢えない間のクミの慰めだった。

履歴を何度も見て、クミは一人で楽しんでいた。


『無理』


その二文字が何度も頭の中をクルクルと廻り、自尊心が大きく傷付いたクミは

携帯の電源を入れられなくなり、そのまま水曜日を迎えた。


退社のタイムカードを押してから、また店長がパートの失敗を

クドクドと怒り始め、クミは珍しくイライラした。

街中がクリスマス一色になっていて、ケーキを手にしている人達にうんざりし

帰りの電車でもイライラは続いていた。






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                                       第26話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-24wa

                                      第1話から読む方はコチラ



クミは右耳に電話をはさみ、所在なく部屋の中をウロウロと歩き回った。


「捨てるなんて。あぁそう、捨てるのは自分からって事ね」

「捨てたりしないよ・・・何でそんな事言うの?」

「他にも沢山いるじゃない。私は体だけの女だし」

「違う。女の為に部屋借りるなんて、初めてなんだよ。

まだ分からない?好きなんだってば」



言わせたのは自分なのにその声を聞いた時、クミは涙の滲んだ目を閉じた。


あぁ、また堕ちてしまった。



「旦那と別れて、なんていわないから。困らせないから」

「分かってる。別れられたら困るんだもんね」

「何?意地悪な事言って。困らせたくないだけなのに」


やっぱり・・・ハルトが好き・・・どんな事をされても。


「例え俺が結婚しても、ずっとクミと続けたい。

ずっとずーっと、金曜日だけの男でいたい」



ハルトには、どんな方程式も法律も当てはまらない。


「浮気男」

「だってしょうがないじゃん。好きな女が結婚してんだから」


きっと今までの女、皆に同じ事言ってるんだ。

と思いながらも、ハルトの弱々しい

声をもっと聞きたいと、クミは受話器に耳を押し当てた。



「しょうがないのはそっち・・・もういいわ。分かったから」

「・・・・怒ってない?」

「もういいってば。早く寝てちゃんと風邪治して」

「来週、やり直ししようね。もう今日みたいな事しないから

きっと、熱のせいだ。許して」


「分かったから」


戻る事を選択せずに、優位に立った自分とハルトの請う声に快感を覚えた。

歪んでいても【必要とされている】と感じる事は、陶酔感を与えてくれる。



私の心をかき乱す・ずるい男。残酷で美しい男。

これも作戦かも知れない。

容赦なくムチを振りかざし、飢えさせ、その後で餌を与える。





「買い物に行かなきゃ」

電話を切った後、急に思いついて、クミは大きな独り言を言った。


人妻でいる自分をハルトは必要としてくれてる。ちゃんとしなきゃ。

次の金曜日、自分はどんな事をされるのだろうかと、考えながら

買い物をし、夫のカッターシャツにアイロンをあてて、思いを廻らせたが

不思議と、ハルトとは何でも出来る。と言う所にしか行き着かなかった。

言葉で、指で舌で、体で、ハルトはクミの欲しかったものを与えてくれる。

だがそれは全て揃っている訳では無く、何か一つ二つ足りなくて

永遠にピースの足らないパズルをしている気持ちにさせられるが

それさえも、クミの麻薬だ。

ひょっとしたら今頃、あの部屋で誰かと抱き合っているかも知れない男へ

ジェラシーで胸を焦がす事も、丁度良い自制心になる。



クリスマスローズ、一緒に育てよう。


まだ分からない?好きなんだってば。



ハルトに酔いながら、日曜日はタカシに誘われ、映画を見に出かけた。


ハルトは今頃・・・何処で何してるのかしら・・・


甘いラブシーンが出て来た時、クミは夫の顔を盗み見た。

スクリーンに照らされた顔は、いつもの通りの無表情だ。


この人は・・・性欲が無いのかしら・・・それとも私にだけ?


男優の顔がハルトに、女優の顔が自分に重なり、音が出ないように注意を払い

口の中で溢れそうな唾液を飲み込んだ。





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                                      第1話から読む方はコチラ


ハルトは左手は自分の頭の下に置いたまま右手で根元を握り、刺激を与え始め

クミは言いつけ通り先を吸った。どうすればいいのか分からずに見上げると

眉根を寄せるハルトがじっと自分を見つめている。


「やった事ないの?」

口にした事はあっても、そのままイかせた事がないクミは不機嫌な声に焦った。


だってこんな事、誰も求めなかったもの・・・。


「歯をたてないで。ソフトクリームみたいに」


クミは目を閉じて、ハルトの言った物を思い描いて、長い時間舌を動かし続けた。

手の速度が早まり、腰の浮いたハルトが両手でクミの頭を持ち、自分のモノに

押し付けた瞬間に、生暖かい体液がじゅっじゅっと口の中に注ぎ込まれた。


「んっんん・・・」


頭を押さえつけられたままクミは目をギュっと瞑り、苦労して

ドロドロと口の中に絡みつく恐ろしく苦いモノを 生まれて初めて飲み込んだ。


「はぁ・・やっと出た。下手だから自分でやったみたい」


ハルトは独り言みたいに言って、さっとトランクスとジーンズを上げ背中を向けた。


え?それだけ?ありがとう、とか、無いの?顎が痛いのに。

初めて飲み込んだのに・・・。酷いわ。




「ちょっと寝る。昨日寝てないからさぁ・・・」


呼吸の為に規則正しく動く背中を眺めるクミを

空しさと悲しさと惨めさが襲った。


私、一体何してるんだろう・・・。



2時間たってもハルトは起きる気配が無く、さっきまでの高揚感は消えうせ

自分が性欲の道具にしか見られて無い、という感情に支配されたクミは

鍵も持たずにノロノロとその部屋を後にし、タクシーを拾った。







何時間たってもクミの心は乱れたままだった。


SMなんて嫌。今日みたいな事も嫌。だからあの花とプレゼント?


訳が分からない。危険で病的なハルト・・・・


逃げたい・・・



ハルトの嫌な所ばかりを並べ立てるとすぐに、好きな所がそれらを消去し始める。

初めて食事を共にした日から、クミの髪の毛の先から足の爪先までも

起きている間中寝ている時でさえも、ハルトで詰まっていた。



馬鹿みたい。7歳も年下の遊び人に振り回されるなんて。



なのにいつかハルトを失う、と想像するだけで、クミの体は禁断症状でねじれる。


嫌いになりたい。出会う前に戻りたい。

今なら・・・まだ・・・戻れる?






まだ鬱々としていた夕方に、ハルトから電話が入った。出ないでおこう

と思った次の瞬間には、クミの人差し指が通話ボタンを押していた。



「何で帰ったんだよっ冷たすぎじゃねー?」


もしもし、とクミが言う前から、明らかに怒った口調でハルトは話始めていた。



「鍵も開けっ放し。プレゼントもそのまま。ムカつく・・・」


「あのね・・・私・・・もう・・・」



終わりにしたいの



出来るはずが無い事を 口にしようとした時、ハルトは口調を変えた。


「いや。俺が悪いね。今日はごめん」

「・・・・」

「楽しみにしすぎて風邪ひくなんて、子供だよね」


甘えた声を聞かされて、クミの出かかった言葉は、何処かへ行ってしまった。


「風邪引いたの?」

「うん。さっき起きて家に帰って熱測ったら38度だよ。最悪」

「そうなんだ。・・・ごめんね・・・」

「ねぇ、頼むからさ、別れるなんて考えないで」

「そんな事・・・」



できるはずがない。少なくとも私からは。



「さっき言いかけて無かった?」


別れたくない、って言ってくれるのが前提で言おうとしたの。


「俺、クミに捨てられたら・・・どうしていいか、分からない」


懇願するような声は、クミを優位に立たせた。






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「まだ蕾だけど、一緒にそいつ育てよう?Hの為だけに

この部屋借りたのね、って思われるのムカつくし。それと

・・・俺がつい、女を連れ込まない対策、一緒に練らない?」


「馬鹿」



クミの頭は混乱し、また強張った顔に戻った。


「うう寒い・・・閉めて。さんきゅ。でね、他にもプレゼントあるよ」


「ホントに?」


「箱に入ってる♪探してみな?」


クミが恐ろしい箱を右手で探ると、隠すようにして白いリボンをかけられた

綺麗な空色の小さな箱が出て来た。もちろん、見ただけでクミは分かった。


「これ?・・・?」


「そう!それ。開けて」



「ハルト・・すごいわ。嬉しい・・・」


だがそれはピアスだった。ピアスの穴がないクミの表情はたちまち曇った。



誰かへのプレゼントと間違えたんじゃないの?




「ティアドロップだって。あれ?気に入らない?

クミよく泣くじゃん。それ思い出したんだよね」



ごめん。疑っちゃって。

ハルトの行動に一喜一憂。自分が嫌になる。




「私、ピアスホールが無いの・・・」


クミは顔が曇ったのを ピアスの穴が無いせいにした。


「そんな事知ってるに決まってるじゃんよ。その箱には穴を

開けるのも入ってる。俺があけてやろうと思ってさ」


「ええ?怖い」


ジェラシーや夫や、逃げたいと思った事など、すべて上塗りされてしまっていた。


「大丈夫。俺、何でも上手いから。でも今日は、出来ないなぁ

・・・なんかダルくなってきた」


「風邪、引いたんじゃない?」


「そうかも。でも、クミの裸を見たら治る気がする」


「ホント?」


機嫌の直った単純なクミは、クスクス笑った。


「ねえ、裸で冷蔵庫のケーキ食べてみせて。思いっきりエロクね」



どうして、私は従ってしまうんだろう・・・


午前の日差しが入る中で、クミは裸になり「あっ」と言った。

そろそろだった生理が、さっきの刺激のせいかいきなり始まっていた。



「ハルト・・・生理が」

「えー?来ちゃったの?予定日だったなんて。早く言ってよぉ」

「私ちょっと不順なの。でも、これでピルが飲める。

次からゴム無しで大丈夫。・・・ごめんね」



トイレから出て来たクミに、下半身だけ脱いだハルトが布団をめくって誘った。


「きて。しょうがないから口でやって」

膝の間に寝そべり、髪の毛を耳にかけて、ハルトが『バズーカ』と

名付けているクミの愛しいモノを小さな口内に含む。


「ほんっと残念。俺、マジで楽しみにしてたのに」


そう言って、ハルトはもっと舌を使えよ。とも言った。

余りに大きくて、口を開けっ放しにするとクミの顎関節が痛む。

テレビも何も無い部屋で、クミの口から出るクチュクチュと言う音だけが響いた。


暫くすると、ハルトの落胆のため息が聞こえた。


「クミは下手だね・・・。もういいよ。先だけ吸って」






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クミは初めて見るその本から目を離せなかった。

裸の女が恍惚の表情をし、赤いロープで縛られている写真に釘付けになった。


私が・・・こんな事されるの?嫌!

これが快感になるの?考えられない・・・



さっき、真面目な顔で本を読んでたハルトは、

とっても格好良かったのに・・・



「こんな本読んでたなんて・・・・」


「いいじゃん。俺を一流の縄師にさせて?アハハ」


それに、こんな事じゃ捕まらないじゃない。

本当にしたい事は何?



逃げたい、逃げなきゃとも思うのに、クミの体はやはりハルトの声に痺れる。


ハルトは、突然背伸びをしてエアコンをガンガン叩いた。


「最悪―。何だよ。このエアコン、潰れてるんじゃねーの?」


手をかざすと冷風が吹いていたので、彼は舌打ちをして、エアコンを切った。

気に入らない事があると、ハルトはあからさまな舌打ちをする癖があるのを

クミはもう知っている。夫の舌打ちには、かなりの嫌悪感を覚えるのに

自分を必要だと言ってくれるハルトの同じ行為は、不思議と気にならない。


「ホント・・・寒いね」


「超むかつく。今日は一日裸でクリスマスパーティしようって

かなり楽しみにして、シュミレーションまでしたのに」




「どんなパーティ?なんか怖いんだけど」


確かにヤキモチなんてとっくに忘れている自分にクミは気がつかなかった。



「その箱あけてみなよ。パーティグッズだよ。プレゼント」


うう。さみぃ、と言って、ハルトは服を着てベッドにもぐりこんだ。



「そうなの?すごーい・・・え・・・!」

クミの反応を見て、ハルトは布団から顔だけだしてまたあの下品な高笑いをした。


「・・・ちょっと・・・何よこれ」


箱を開けたクミは、ぞっとし、心臓にまで鳥肌が立った。

何種類かのバイブ、手錠、ロープ、産婦人科医が使うもの、初めて見るもの

ハルトの高笑いが後ろで流れ続けていて、怖くなったクミは急いで箱を閉めた。


「全部、新品だよ。てか、こんなの初めて買ったってぇ」


ハルトは笑いすぎて涙が出るわーと言って、腹を抱え、また笑う。


「ネットで買いながら、もう笑えてしょうがなかった。

こんな事、誰にも言えないよー。連れにも。誰にも」



らりってるみたいよと、クミは笑い続けているハルトを小突いた。


「ツボに入った。だってさぁ、この俺が変態チックだなんて事

誰も知らないんだよ?本屋の皆もさ。家族も女も。

こんな事してるの気付いたら・・・驚く顔を想像したらさぁ」



「ほんま呆れるわ。プレゼントって・・・普通アクセサリーとか・・・」

あまりにも笑うハルトを見て、クミも笑わずにいられなくなる。


「ベランダ開けてみて?」


ハルトよりも温もったクミも寒さの為に服を着はじめたのを見てハルトが言った。

軽い硝子戸を開けると下に小さな鉢植えがあり、予想外の事にクミの目が大きくなった。


「これ・・・クリスマスローズ?」


「あ、知ってたんだ?流石主婦♪俺、知らなくてさ。

気に入ったツリーがなくてポインセチアっての?

それにしようと思って花屋さんに行ったら、そいつが。

下向いて咲くなんて、クミみたいだなって」



私の為に部屋と花と・・・?

それとSMグッズ。ハルトって予想がつかない。



「そんなに下向いてる?」


「二人の時はそうでもないけど。

一緒に歩いてる時なんかずっと下向いてるじゃん。

人の目を気にしてるんだろうけど」



「うん・・・ごめんね」







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「ホントに旦那さんとやってないの?その割りに敏感だよ」


「やってない・・・」


「ねぇ旦那さんと俺、どっちが太い?」


ハルトの二本の指が生き物みたいに、クミの感じる内壁を強く押した。

リズミカルな動きにクミも思わず、握っている指に力を込めずにいられなくなる。


「ああっ!それ・・・そこ・・・駄目・・・」


「ちゃんと答えて。どっちの方がいいの?」


「・・・ハルト・・・」



「どっちが欲しいの?」


「は・・ハルト・・・」


「欲しい?ここに」


「あぁ・・・ん・・・っほ・ほしい・・・」




こんな恥ずかしい事、言わせないで・・・・・



「まだ駄目だね。お風呂に入ってないもん」



まだ下されていないパンティの中の谷間が、急にグニャグニャに熱くなった。

クミの手の中のものも、一層硬く太くなった気がした。


「あ・・・・っ?」


「イきそうなの?」


察したハルトが親指で、クミの感じる芽を押し、指の腹で優しく愛でる。


「こんなに硬くしちゃって。やらしいなぁ」


思わず曲げたクミの膝の所に布団の隙間が出来て、中に篭っていた

甘酸っぱい匂いの空気が外に漂った。羞恥心はクミを快感の波に深く引き込む。

ハルトの指の動きに合わせて、クミも足を悶えさせながら腕を動かした。

ハルトの指が濡れているように、クミの左手も滴で滑る。


「まだ服も脱いでないのに、イっちゃうんだ?指だけで?」


言わないで・・・・


「恥ずかしいね・・・ビチョビチョだよ・・・?」


「っぁん・・・ん・・・駄目・・・いや・・・」


「イくときは言わないと、やめるよ?いいの?」


わざとイヤらしい音を出す為に、ハルトは激しく指を動かした。


「っっあかん・だめ・・・いや・いや・・・ぃゃぁ」


「イくの?」


「ん・・・あぁっあかん・・・いや」


「いやなの?嫌ならやめようか?」


「いや・・・やめたらいや・・・ぁっぁ・・・・・」


ハルトはクミが絶頂を迎える時に、舌を強く吸った。








湯船につかりながら、クミは体を洗っているハルトに恐る恐る尋ねた。

「でもやっぱり怖い。私・・・何されるの?教えて」


「それじゃぁ面白くも何ともないじゃん。大丈夫だって。

もう何回もセックスしたのにまだ信用できないの?

俺、ウンコ食べたりしないし。オシッコも飲まないよ」



ハルトがまた自分の言った事に笑ったので、クミもつい笑ってしまった。


「バカバカ。当たり前じゃないの。そんなの絶対嫌。ねぇお願い」


「んー・・・そんなに知りたいの?じゃぁ後でね」


シャワーだけで出たハルトは、コートの下からカバーをしてある本を出して、

クミに手渡した。


「これって・・・さっき読んでたよね?」

「そ。もぉこれ見ながらバズーカがさぁ。あ、今も反応しちゃった」


クミはそれを開いて「キャッ!」と声を出した。

『初心~中級者向けの縛り方』と書いているSMのマニュアル本で、

写真入りで詳しい説明が書かれてあった。


「嫌・・・こんな事・・・嫌や・・・こんなん、したことない・・・」


「マジで?やったね。やっとクミの初めてになれる♪」





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                                      第1話から読む方はコチラ




「親父超怖いし、週刊誌に笑われるの嫌だし。

それにさ、務所入ったら、セックスできないでしょ?

男に入れられたり入れたりなんて吐き気する。

だから我慢してるようなもんだ。クミが俺には絶対必要。

やりたい事、させてくれるんだもんね」



今になってクミは無防備な自分と、

今からこの部屋で行われようとしている事に恐怖を感じた。

そう思うとハルトの顔が殺人鬼に見えた。


お礼なんか言うんじゃなかった。逃げなきゃ。

でも怒らせないようにしないと・・・



クミはひきつった顔になったが、ハルトを刺激しないように明るく聞いた。


「捕まるって?監禁?殺人?・・・まさか薬漬け・・・」


ハルトはクミの言葉を笑い飛ばした。


「ブー!!全部外れ。好きな女にそんな事するはず無いじゃんっ。

薬も俺、大っ嫌い。一通り試してみたけど。

後でなぁんにも覚えてないの。うわ、もったいねぇって。

きっと、めちゃくちゃ気持ち良い事したはずなのに

それを忘れちゃうんだよ?馬鹿みたいな金使ってさ。

まぁ・・・たまに連れとハッパくらいやるかなぁ?

好きな奴は好きだけどね。女だけ飛ばす奴とか。

でも俺はやらない。つーか、要らない」



「じゃあ、一体何をするつもり・・・」


「怖くなったの?俺の事」


ハルトは突然、とても優しい顔をしてクミの唇に自分の唇を重ねた。


舌でクミの口紅を 宥めるようにただなぞる。


あぁ・・・ずるい・・・こんな事されると・・・何も言えなくなる・・・


じらす様な動きのハルトの舌が歯痒くて、クミは自ら唇をあけた。

深く入ってきたそれは、優しくゆっくりとクミの舌を撫でる。


大丈夫・・・大丈夫・・・ハルトはそんな事はしない・・・





ハルトは耳の溝に舌を這わせて、服の上からクミの乳房をまさぐりはじめた。

「心配しないで。気持ち良い事しかしないよ」

最中は痛いくらいに握る癖に、優しい指の動きにクミはとろけそうになる。


「俺と逢ってない間に、旦那さんに抱かれた?」


囁きながら、クミのパンツのボタンを外しにかかった。


「あっ駄目・・・まだ・・・」


お風呂に・・・


言おうとしたのに、ハルトの指がパンティの中に到達したので

甘いため息に変わり、クミは体をビクっと震わせた。


「どんな風にされた?」


「ん・ん・・・されてない・・・」


「ホント?こんな風に触られたんじゃないの?」

「あ・・・ん・・・いや・・・」


「ここを こんな感じで くぅるくぅる・・・って 」


「ぁ・はぁ・・・され・・っ・てな・・・ぃ」


「ホントに?優しく撫でられたんじゃない?それとも強く?」


「!あぁ・・・駄目・・・」


「指を入れられて、感じたんだろ」


「そんなこと・・・ぁぁ・・・してない・・・」

本当の正体は殺人鬼かも知れない男の指にクミは、はしたなく感じた。


「俺のも握って」

既に硬く熱くなっているモノを握ったクミは強烈にそれが欲しくなった。


それなのに、ハルトは指だけで刺激を続ける。







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                                       第20話へ

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                                      第1話から読む方はコチラ



「嘘でしょう?」

「なんでだよ。クミには嘘つかないって言ったじゃん。

クミと俺以外、誰も入ってないよ。

あ、ベッドを運んできた二人組みと不動産屋以外ね」



不動産屋から渡されたままの状態、と言ってハルトは

二本の鍵をクミにかざした。


「信じられない・・・」


「選ばれし男が選んだ、選ばれし女だよ?

これくらい当たり前じゃない?」




人気の無かった部屋は、中々暖まらなく、ハルトはまだ猫背で震えながら


「風呂入れるね。早く温もらないと裸になれない」


と言い、浴室に向かった。綺麗好きなハルトは、行為の前に必ずお風呂に入る。

それはクミも同意できる事だった。「別に入るのは時間の無駄」

と説得されて2回目からはクミも一緒に入る事にしている。

クミが何も無い部屋を見回し、備え付けの小さな冷蔵庫を開けると

【Merry X’mas】と書かれたケーキが入っているであろう箱だけがあった。


クリスマスは水曜日だから、ハルトと逢えない。と思ってたのに。

ちゃんと考えてくれてるなんて・・・・嬉しい・・・


クミは、ハルトのした全てに感激のあまり、涙ぐんだ。


「うぅまだ寒い。暖房器具買わないと・・・

ガスがいいかなぁ・・・」



お風呂の用意を終え戻ってきたハルトにクミは抱きついた。



「ありがと・・・」


「俺、女に金使うの本当は大嫌いなんだけど。

クミの為だったらって。ラブホの金もったいないし」



「嬉しくて泣きそう」


「泣かなくてもいいよ。ねぇ寒すぎだから、このままベッド入ろう」


ハルトは本当にコートのままベッドに入った。確かに、まだ息が白い。

クミも入り、ハルトと服のまま抱き合った。

ハルト以外の何もかもから新しい無機質な匂いを感じた。


「あ~あ失敗だったなぁ。まだ寒いよ。

車にすりゃ良かった」



「バイク?あれってすんごく高いんじゃないの?」


女にでも買ってもらったのかしら・・・


「うん。すげぇ高いよ」


「それとこの部屋も・・・そんなお金何処から?」


「あれ?うちが金持ちな事言ってなかった?」


「また自分で金持ちって・・・ハルトったら」


クミはハルトが冗談を言ったと思い、クスっと笑った。


「ホントだって。森山建設って、知らない?」


高い自社ビルの上に、大きな看板で『森山建設』と書いていて、

クミの通勤途中嫌でも目に入る。


「知ってる・・・うん。え?あそこの息子なの?」



「正解。長男です」


「嘘?ホント?すごい!そっか・・・大学もお坊ちゃま大学だもんね

でも、どうしてバイトしたり女に貢がせたりするの?必要ないじゃない」



「それはただの遊びだよぉ。

バイトは出会いの為。どっちももうやらない。

俺ってさ男前だし足は長いし、サーフィンもセックスも上手いし

金持ちだし。

しかも黒子があんな所にあるなんてすごすぎるよね。

欠点、無くない?俺が女だったら、絶対俺と付き合うわ」



クミもハルトも揃って笑った。


「欠点、あるじゃん」


「あ、はい、またペナルティ。何で関西弁使えないの?

体が温まったらすぐお仕置きだからね」



「ほら、欠点あるやん。変態な所」


「そーなんだよーなあ。

俺のしたい事、全部やったら絶対捕まる」




捕まる?






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                                       第19話へ

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                                      第1話から読む方はコチラ


前回の金曜日の帰りに、ハルトの日焼けの訳は土日に行くサーフィンと

ウェットスーツの跡が嫌で、日焼けサロンに通っている為だと知った。

それとセックスだけでなく、ハルトはバイクと車も好きな事も知り

高校の時にサーファーとバイクに乗る男の子に憧れていた事を思い出したクミは

思わぬ所で自分の願望が一つ叶った事に嬉しくなった。

クミのマンションから少し離れた、人通りの少ない裏道路で別れ

これからの待ち合わせは、その場所にする事にした。



次の金曜日は、クミがお願いした通り朝からハルトがバイクで迎えに来た。

誰かに見られやしないかと、ビクビクしていたが、幸い知ってる顔には

誰一人として逢わせる事なく、その場所にたどり着いたクミは

バイクにもたれかかり足を組んで、真剣な表情で本を読んでいるハルトを

しばらく遠くから眺めて、幸福にどっぷり浸かってから声をかけた。



「ハルト!」



顔を上げ微笑んだハルトは、本当に素敵で、ファッションのセンスも抜群だ。


なんて格好良いんだろう。嘘みたい・・・


ハルトが、更に微笑んで手を振る。

クミはブーツの音を鳴らしながら走って、ハルトの胸に飛び込んだ。


「おいおい。大胆だなぁ・・・」


と言いながら、ハルトもクミに軽いキスをした。


「だって・・・めっちゃ格好良いよ。ハルト」


「へへ。それがさ、こいつで来たのは間違いだった。死ぬほど寒い」


「ごめんねー私が頼んだから・・・」


「いいよ。俺も見せたかったし。でも、ホントに寒いから覚悟してね」



ハルトはヘルメットをクミに渡した。ピンクのそれは明らかに女物だ、

と思ったクミの顔が曇った。


何人の女がこれを被ったんだろう・・・



「何考えてる?これは妹の。ミカはちゃんと自分のを持ってるよ」


「ホントかしら」


クミはそう言ってから、ヘルメットを被った。



ミカ以外の人は?



「ヤキモチ?くだらねぇなぁ・・・」



ハルトがバイクに跨りエンジンをかけ、クミも後ろに跨り体をピッタリ

密着させる。



「どこに行くの?」


『今日はラブホじゃないけど、二人になれる所』


ハルトのメールに、ヘルメットを受け取るまでのクミはわくわくしていた。


「内緒。ついたらヤキモチなんて忘れちゃうよ」


歯がガチガチと言うくらいになって、やっとバイクが止まった。




レンガ貼りのワンルームマンションの前だ。

「ここ、どこ?」

クミは、甘い香水の匂いのするヘルメットを脱いでハルトに渡した。


「女神様に、俺からのクリスマスプレゼント」


「え?」


「ボーっとしてないで早く来いって。寒いじゃん」


エレベーターで最上階に向かった。12階だ。

ハルトは、芯まで冷えた為に震えながらクスクス笑っている。


「部屋、借りました!」


勢い良く角部屋のドアを開けて、ハルトが言った。


「ええ???」


「ここは、俺とクミだけの部屋」


「嘘・・・」


「嘘じゃないよ。早く入って」


フローリングの上に大きなベッドと小さな箱だけが置かれている天井の高い

部屋に入り、寒い寒い、と言ってハルトはダウンコートのままエアコンをつけた。





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                                       第18話へ

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