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ゆり

Author:ゆり
はなわゆりの恋愛小説ブログへ
ようこそ!!


ちょっとエッチな恋愛小説を
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あくまで純愛小説です♪

Yブログが本館ですが、ファン限定記事が多いため、
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kira-42wa

                                      第1話から読む方はコチラ




「縛られたいの?その方が燃える?」


クミは首を横に何度も振った。


「そう?じゃあエプロンのまま犯しちゃおうかな」

「お願いってば。やめて!!」

「やめたら怒る癖に。あ・・・っゴミ箱にティッシュが!!」


ハルトが見つけたティッシュは、クミの悦びの涙を吸い取っただけの残骸だ。


「やってない、とか言ってやってんじゃん!」

「違うの。違うの」


「何が違うんだよ。俺に嘘ばっかり言いやがって」


「やめて。お願いだから」

「俺、昨日も苦しくて眠れなかった。それなのにクミは」


ハルトはクミのパンティを横にずらして、昨夜クミが得られなかったモノを挿入し

自分の胸を本気で押す細い手首を握り、ベッドに強く押し戻した。


「いや!もういやなの!お願い」

「ひどいよ。最低だよ。また電源切ってるし」

「それは」


ハルトがクミの舌を激しく吸う。ぐいぐいと黒子が押し付けられる。

今までは、そんな事をされるとすぐに、喘いだ声を上げていたのに

閉ざしてしまった心のままでは、苦痛でしかない。


「いけよ。いつもみたいに。あの顔を見せろよ」


もうハルトの声も匂いも、クミを陶酔させなかった。

一欠けらの魔法も残っていない。

まだあるのは情だが、それさえこの行為で消えつつある。


どうしてこんな男に堕ちてしまったの?ピルまで飲むなんて・・・

馬鹿としか言いようが無い。



「なんで泣くの?泣きたいのは俺なのに」


クミがハルトを見上げると、涙を堪えるような苦痛に歪む顔があった。


「見るな」


ハルトは挿入したまま、クミの上に倒れこみ顔が見えないようにした。


こんなのハルトじゃない・・・

もっといつも自信満々で、高飛車で、陽気で、綺麗で、

そして残酷なサディストで



「ミカと別れるよ」

「やめて、そんな事」

「なんで?別れて欲しいだろ?他の女も切る」

「そんな事・・・駄目よ」

「だって、クミがおかしい。感じてない」

果ててもないのに、ハルトはクミから抜いた。


「アナルの方がいい?」

「違う、待って。話がしたいの」

「何の話?」

「昨日、ミカさんから電話があったの」

「へー」

「へーって!すごい剣幕で・・あぁっいややっやめてっ」

「やっぱこっちだったんだ?」

クミは、初めてハルトの前で感じる振りをした。

早く終わって欲しいが為に、ハルトの好きな顔をして、卑猥な声を上げた。








「ミカにこないだ携帯見られたんだよな。で何だって?」


終わってからクミのベッドへ二人で移動し、落ち着いてからハルトが口を開いた。


「ハルトと別れてって」

「マジウゼェ。あいつ、そんな事俺に一言も」

「殺すって。旦那にも話すって言われたわ」

「大丈夫口だけだから。まぁ旦那には話してくれてもいいけどさ」


笑うハルトの顔は綺麗だが、もうクミの胸はときめかない。

自分の突然の心変わりに、ハルトが可哀想で、憐れむ気持ちにもなる。

好きになる気持ちも抑えきれなかったが、醒めて行く気持ちも止められない。

一度深い呼吸をして気持ちを整え、クミは別れを言おうとした。


「ハルト、私」






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                                       第43話へ


テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-41wa

                                      第1話から読む方はコチラ




その夜タカシは、意を決して3年振りに自分のベッドにクミを引き入れ

恥ずかしそうな顔で、パジャマの前ボタンをゆっくりと外した。



抱いてくれるの?そんな資格なんて無い女なのに。



驚きと自己嫌悪の余りにクミは抵抗したが、タカシは止める気配がない。


・・・でも、でも嬉しい・・・まってた・・・

ずっと待ってたの。こんな日を。こうしてくれるのを。



クミの瞳が悦びで輝き、背中に手が回された瞬間に、タカシはため息をついた。


「あぁやっぱり駄目だ。ごめん・・・起たないんだ、俺」


さっきの気持ちを持続させようとしていたが、タカシのモノに血は昇らなかった。

奮い立たせる為に、妻の体から男の形跡を探しても、見当たらない。


「なんでだろ?病院にも行ったのにな」

「そうだったの・・・言ってくれれば良かったのに・・・」

「言えないよ。恥ずかしくて。・・・ごめんな、役立たずの息子で」

「・・・ごめんなさい・・・」

「なんでクミが謝るの?悪いのは、弱い俺だ。」


ううん。悪いのは私。そんな事、気付きもしなかった。

本当に最低な女。



「・・・もっと強く抱いて」


タカシはクミを強く抱き、唇と指で愛撫を始めた。

それはまるで優しく暖かい雨みたいに降り注ぎ、

嬉しさの余りに、クミの幸せの涙を誘発させる。


・・・うれしい・・・嬉しいわ・・・


少し煙草の匂いのする柔らかな髪の毛、骨ばった指、懐かしい肌の匂い・・・

心が悦びで震え、夫の存在全てが、クミを果てるよりも深い世界へと導く。

歓喜の涙を唇で吸われながら、精一杯の愛をも感じ受け取った。


寂しかった。二人で居るのに、一人よりももっと孤独だった・・・


この気持ちが伝わるように、とクミも唇と指で愛撫し、夫の肌を堪能した。

堕ちた穴を一人で彷徨い、闇の中を手探りで探していた自分の未来に

突然光が舞い込み、目の前が開け始める。


お願い、この手を離さないで。迷わせないで。

もう二度と一人にしないで。



夫婦で裸体を重ねる、そんな単純で当たり前の事実が、クミを変える。

どこからか降りてきた美しい光のオーラと、柔らかい旋律の音色に包まれて

乱れた心と身体までをも、強い力で浄化される。

クミは夫と言う聖堂の中で、全ての呪縛から、暗闇から解かれた新しい自分に

気付き、終わりの無い愛撫は、失いかけた夫への新たな愛を芽生かせた。













穏やかな朝を夫の腕の中で迎えた金曜日は、やはり全く違う曜日になっていた。

満ち足りているのに、しなければいけない事があり、それが容易に行かない事が

分かっているから気が重く、好きだった男の心を踏む事がつらくて苦しい。


ハルトはどう言えば納得してくれる?どうすれば別れてくれる?


夫を送り出し、悩みながら朝食の片付けをしていると、インターホンが鳴った。

出て行ってすぐだったので、忘れ物だと思ったクミは、ドアを開け息を飲んだ。


「何してんの・・・」


入ってきたハルトは後手で鍵を閉め、靴を脱いだ。


「もう来んといてって言ったやん。誰かに見られたら」

「大丈夫。誰にも見られてない。旦那が出てってから入ったし。

それより、可愛いじゃん。エプロン姿」



ハルトはあっけに取られているクミの左手を取り、無理矢理指輪を外して

自分のポケットに入れ、そして一度しゃがんで肩にクミを抱き上げた。


「どこでする?どこがいい?やっぱりベッド?

ソファも捨てがたいなぁ。どっちにしよう?」


「やめて。やめてよ。下ろしてよぉ!この家ではいや!お願い!」


一通り部屋を見てからハルトは寝室へ入り、起きたままの二つのベッドを見て

クミを乱暴に投げ下ろした。


「旦那のベッド、こっちだ」

「いやや、やめて、お願いやから。ここでは嫌。ほんまに嫌」


哀願するクミを無視して、ハルトはジーンズのベルトを外した。






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                                       第42話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-40wa

                                      第1話から読む方はコチラ




もう何も考えたくない。考えられない。電源、切っとこう・・・


「いたっっ」


混乱した頭で包丁を持ち、切ってしまった指先が赤い血で滲む。




「ただいまぁ」

「あっおかえりなさい。・・・ごめん、残業でご飯がまだなの」

「いいよ。ビールで。なんかつまみさえあれば」

「ホント?良かったぁ助かる♪ねぇ、見て。切っちゃった」


微笑み、切った人差し指を咥えた妻の顔が、タカシには一段と綺麗に感じた。



やっぱり、男がいるんだな―






それまで、完璧すぎる程のクミだった。母親の作る料理よりも美味しい夕食、

部屋はいつも綺麗で花が飾られていて、シャツには糊がビシッとかかり

だらしない格好を決して夫に晒したりしない。タカシがあんなにこだわり

切望していた海外赴任は、結婚前のクミが言った事がきっかけだった。


「いつか海外に住むのが私の夢なの」


軽い気持ちで言ったその言葉が、

まさか未だにタカシの胸に大きく占めている事等、

クミは知らないままだ。

口にこそ出さなかったが、クミの夢を叶える事が

タカシの自分に課した夫の役割だった。

聡明で貞操な妻を愛する故に抱えているあらゆるコンプレックスも、

その望みを叶える事で開放されると信じていた。

それなのに、いつも掴みかける寸前で、その夢は逃げていく。

妻は優しく励ましてくれたが、弱いタカシには、逆にプレッシャーになった。



こんな俺じゃ、いつか失望されるんじゃないだろうか・・・



人事部にも「ウエタニさんに決まりそうですよ」と耳打ちされていたのに

辞令を受け取ったのは、コネで入った同期のヤマナカだった3年前のあの日。

荒れたタカシは部下とパチンコに興じ、不味い酒を飲み、

そのままのノリである店に入った。自分の知らない世界を見て、

気付かなかった奥底の性癖に目覚め

そんな自分が触れると汚してしまう気がして、自ら妻に背中を向け始めた。



やっとクミの汚点を見つけた・・・



その世界にのめり込むようになってから、普通の事にはどうしても起たなくて

困っていたタカシ自身に、熱い血が入ってくるような、そんな感覚に襲われた。


今なら、今のこの気持ちなら、クミを抱けるかも知れない。















ヒロユキに電話をかける為に携帯の電源を入れたハルトは舌打ちをした。

またミカから何度も着信とメールが入っている。付き合って2年になるが

ハルトは初めてミカにうんざりしていた。ここ最近のミカは度を超えている。

昨日ミカの部屋で逢った時は、あまりの怒鳴り声に、ハルトはつい

拳で殴ってしまった。床に倒れ鼻血を出したミカは、それでも泣きながら

狂ったみたいに「別れないから」を繰り返した。

そのまま放置して帰ってしまい、少々気がひけていたが、

そのままヒロユキに電話をかけた。


「おっせー。何してたんだよ。携帯の意味無くね?」

「悪い、何?」

「ミカが電話で自殺するって喚いてたぜ。お前、何したの?」

「・・・狂言だろ。死ぬって言ってるうちは死なないよ」

「馬鹿、行ってやれって」

「もう疲れた・・・別れたいんだよね」

「ハワイどうすんだよ」

「そうなんだよなぁ。それがあるからさ・・・」


いつも土曜日の夕方からサーフィンに出かけるクラブチームで、

気候の良い時にハワイに行くのは、もう3年も続いている恒例行事になっている。

そのチームには、ミカもヒロユキも、ヒロユキの彼女も入っている。

今回は、男3人の卒業旅行も兼ねているので3月の終わりで、

しかも10日間だ。



「ひょっとして・・・金曜日の女に恋ですか?ハルト様♪」


からかう電話口から煙草を吸う気配がし、やっぱり狂言だとハルトは思った。


「今からミカんち行ってくるわ。だりぃけど」


ハルトは車を止め、自販機でタカシと同じ銘柄の煙草を買った。

そして今日、肺に沢山吸ってしまったはずの、

タカシの吐いたニコチンを上書きする為に

ずっと昔にやめたはずの煙草に火をつけた。







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                                       第41話へ

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

kira-39wa

                                      第1話から読む方はコチラ




ハルトを好きだった時の自分の気持ちは幾らでも鮮明に思い出せる。

初めて食事をしたゾクゾク感から、先日した破廉恥な事まで残らず全て鮮明に。


こんな事言われたら嬉しかったはず。・・・って過去形?


「クミは、旦那の前ではあんな可愛い顔するんだな・・・って。

俺の前では、泣いてる顔だけ」



ハルトは、舌打をしてから自嘲気味に笑った。


「ああ・・・駄目だ。最近の俺。神の子じゃない。

テンション下げまくり・・・何もする気にならない」



クミの顔を見ないままハルトが話す度に、ヒビの入った石から破片が飛ぶ。

その石は、本当は天然石の原石で、いつかハルトによって磨かれる事をクミは

望み、待っていた。今はただ、困り果てている。


「信じてもらえないと思うけど、あれから誰ともセックスしてないよ。

なんか出来なくなった。クミと旦那の事ばかり考えて・・・」



ハルトはそう言った後で、「くそ」と言った。

前の車がトロトロ走っているからかもしれない。


「・・・またこんな事告白して・・・恥だ。クミ、何か喋って。

このままだととんでもない事言いそう。俺の口を止めてくれ」




そうよ。こんなの、ハルトじゃない。一体どうしちゃったの?



「その結婚指輪・・・絶対外さないもんな。やっぱり旦那が好きなんだ」


愛したいのに、拒否され続けて来た。だけど・・・最近のタカシは・・・


その後はハルトも黙り、クミが言葉を探している内に車がいつもの所に止まった。

ハルトは、いつもは焚かないハザードを点滅させ、激しいキスを求めた。

両手でクミの顔を挟み、唇を離しては両目を交互に見つめ、そしてまた強く唇を

押し付ける。何度も何度も、それは繰り返された。

二人の車の横を 何台かのヘッドライトが通り過ぎる。





「見られるわ・・・」


クミが唇の横から言ったが、ハルトは無言で舌を動かし続ける。




「駄目よ・・・もう降りる・・・離して・・・」


ハルトは突然、背骨が折れる程の強い力でクミを腕に抱いた。

また時間だけが過ぎる。そんな状態のハルトにクミは何もいえなかった。

ハルトの心が痛い程伝わり、せつなくて、胸が潰れそうになる。

遠い昔、タカシもプロポーズの後でこんな風にクミを抱いた。

その二年後には、夫は兄になり、今ようやく元に戻りつつある。







「ごめん。遅くなった。クミを帰さなきゃ・・・」


ハルトは、決心したようにクミを引き剥がし、そしてまた顔を背けて言った。


「明日、いつもの時間にここで待ってる」

「・・・うん・・・」


クミは唇を拭いながら車から降りて早足で自宅へと向かい

玄関のドアを閉めた瞬間に ぐにゃりとしゃがみ込んだ。


「どうしよう・・・どうしたらいいの」


両手で顔を覆ったクミの携帯が鳴った。


非通知?

「ババァの癖にっ何考えてんの?キモイんだけど」

「え?」

「鏡見た事あんの?馬鹿じゃない?遊ばれてるだけなのに」

「どちら様でしょう?」

「上品ぶっちゃって。ハルトの女だよ。知ってるんでしょ?」

「・・・」

「別れないんなら殺すからね。あ、それとも旦那にばらそうか」

「・・・」

「ハルトはミカのモノなんだからねっ」




若い女に一方的に捲くし立てられて、切られた電話にクミは呆然とした。

タカシが変わり、広まった波紋。崩れたバランスは、ミカをも狂わせ始めていた。











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                                       第40話へ

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                                      第1話から読む方はコチラ



ストーカー殺人・・・昨日も新聞に載ってた。でも何の為に?誰の為に?


そう思うと気を取り直した。


ありえない。そう、ありえない・・・ハルトは、そこまで私を好きじゃない。


「うん。仕事中って感じだった。オメガちらちら見てたもん。

結婚指輪もしてた。どっちもクミとペアだね」



クミは閉じた右手を口元に当てた。そうすると、少し落ち着いた気がした。


「でさ、コイン二枚余ったから、俺の皿に入れてったよ。

いい奴だね。

でも、煙草吸いすぎじゃね?俺吸わないからさぁ。

隣に座ったのは失敗だったかも。奴の煙が服に染み付いてる。

息したから、体にも入ってる。嫌だなぁ・・・」




「お願い・・・もう・・・マンションには来ないで」

「は?頼まれたって行かねぇよ。二度と行かない。

だって・・・俺、クミの旦那に超ヤキモチ焼いた。

今日は偶然会っただけ。見たくもなかった!」



ハルトは突然車を道の横に止めた。ビーっと後続車がクラクションを鳴らし

回転数を上げて追い越して行く。ハルトは不機嫌な声で相手を罵り

ギアをパーキングに入れ、サイドブレーキを引いた。











「なんかさ・・・最近、俺・・・情緒不安定」

ハルトはハンドルに顔をうずめた。







時間が無い。早く。

いつものハルトの口癖をクミが言いそうだった。






7時にはタカシが帰ってくる。夕飯を早く作らないと。お願い車を動かして・・・

































































「ヤキモチって・・・こんなに苦しくなる?」



クミは驚き、車に乗ってから初めてハルトの方を見た。

その一言だけで、クミの胸の中で凝り固まったハルトへの疑念の石に

大きなヒビが入り、砕け始めた。


ヤキモチ?ヤキモチって言った?ハルトが?まさか・・・。


「クミが旦那と買い物して笑ってるのを見て・・・俺・・・

馬鹿な事したって。見るんじゃなかった・・・って」


ハンドルを一度叩いてから顔を上げ、ハルトは遠くを見つめた。


「後でからかってやろうって思っただけなのに。

悲しくて苦しくて、いてもたってもいられなくなった。

その夜全く眠れなくって、朝、またマンションに行って・・・

旦那を見送るクミを見て。うわぁっ俺はマヌケな間男だ、なんて」



ハルトの声がどんどん小さくなる。クミは眉をひそめてその月曜日を探した。


そういえばゴミ出しのついでに、エレベーターの下までタカシと行った、あの時?

いつも玄関で見送るのに。なんて間の悪い・・・



「だからもう二度と・・・見ないって決めた。

見てらんないよ。クミのあんな顔・・・」



クミの口は閉じたままだ。初めて見たハルトの姿に居心地が悪くなる。



ヤキモチ?ハルトが?ありえない・・・。

その後のメールでも、そんなそぶりは全く無かったじゃない?




「うわっはっっじぃ!俺とした事が。今の、忘れて!

こんな事言うはずじゃなかった。

あぁ、なんで今日パチンコ屋になんて行っちゃったんだろ」



ハルトは赤面した顔を上げると、再びギアをドライブに入れた。


「だってさぁ、他の女ってすぐに俺に夢中になるよ?

誰もが俺の家に転がり込もうとするのに」


車を走らせたハルトは普通の、どこか高飛車な声に無理矢理戻した。

運転がいつもより乱暴で、曲がる度にクミの体が傾く。





どうしよう・・・どうしちゃったの、私・・・




量りかねていたハルトの本心が伝わった途端、クミの気持ちは萎み始めた。







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                                       第39話へ

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